イスラエルのオルメルト首相は9日から、3日間にわたる中国訪問を行うことになりました。5日、オルメルト首相は、北京放送の記者のインタビューに答えた際、「イスラエルと中国が国交樹立15周年を迎えた。この15年の間、双方の関係発展は喜ばしい成果を上げ、希望に満ちているものだ」と評価したうえで、「両国が、経済や科学技術などの分野における協力をさらに拡大し、そして、中国が、中東和平プロセスの推進でより大きな役割を果たすことを期待している」と述べました。
インタビューの中で、オルメルト首相は「これまでの15年間、イスラエルと中国の両国関係は急速に発展している。去年、両国間の貿易額は30億ドルに達し、一昨年より20%増えた。今年の貿易額は50億ドルになるだろう。今回の中国訪問の目的は、両国の貿易、経済協力、それに政治面の協力をさらに拡大することだ。両国の貿易と経済協力の基盤をさらに拡大し、両国の貿易額をさらに増やすよう希望する。もちろん、われわれは、ともに興味を持つ地域問題や国際問題についても検討するつもりだ」と述べました。
オルメルト首相の紹介では、両国の経済協力は互いにビジネスチャンスをもたらしているということです。イスラエルは、中国に競争力を持つ商品を輸出すると同時に、中国から、値段が低く品質が高い製品を輸入しています。これについて、オルメルト首相は満足の意を示し、「中国製品の競争力が強すぎて、われわれの市場を占めてしまうんじゃないか、というイスラエル人がいる。私はこのように言った。中国人が優秀で、中国製品が競争力を持っているが、われわれは彼らにチャンスを与えるべきだ、その代わりに、自分にもチャンスをもたらすのだ。イスラエルは、北京には大使館を、上海には総領事館を設けているが、現在、両国のハイテク分野での協力が急速に発展しているため、広東省に代表事務所を設立することになる。中国も、アメリカについで、イスラエルで大使館、領事館と代表事務所をそろえて設立した」と話してくれました。
また、オルメルト首相は「経済協力のほかに、中国が、中東和平プロセスの推進でより大きな役割を果たすのを歓迎する。国連安保理の常任理事国として中国は、地域問題や国際問題で重要な役目を持っている。イスラエルは、中東問題における中国の役割を重視している」と述べました。
今回の中国訪問について、オルメルト首相は「訪中は待ち遠しい。ある意味では、里帰りのようなものだ。」と語りました。20世紀には、オルメルト首相の祖父母は中国で暮らしていたからです。そして、首相の祖父のお墓は中国東北部のハルピン市にあります。首相の書斎にも、1930年代に両親が中国で撮った写真が飾られています。彼の父親は中国で、歴史の先生をしたことがあり、イスラエルに戻ってからも中国語を話し続けていました。オルメルト首相は父親から、ハルピンやチチハルについてのことをたくさん聞きました。(01/07)
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