日本の小泉純一郎首相は8日、今月15日に第二次大戦のA級戦犯を祭っている靖国神社に参拝することを明らかにしました。これを受けて、かつて日本の植民地統治を受けた韓国の人々は憤りを感じました。中国国際放送局ソウル支局の特派員は9日、ソウルの日本大使館の前で、韓国人と日本人に取材しました。

　総勢200人余りがソウルの日本大使館の前に集まり、「慰安婦のため、正義を取り戻そう、アジアの平和のために」と大声で叫んでいます。その中には、韓国市民団体の代表もいるし、中高生、大学生や宗教団体の関係者、在日韓国人、そして日本人もいます。前列に座っているのは六人のお年寄りで、かつて日本軍の慰安婦にされたあと、亡くなった女性の写真を高く掲げています。

　1992年から、毎週水曜日になると、第二次大戦中、日本軍の慰安婦にされた韓国の女性たちがソウルの日本大使館の前でデモを行うのが、恒例となりました。

　現場にいる人々は、小泉首相の靖国参拝を強く非難しました。靖国神社に祭られているA級戦犯は日本の軍国主義のシンボルで、彼らA級戦犯が起こした侵略戦争は、韓国、中国をはじめ、アジア人民をひどく傷つけました。広告会社でディレクターをつとめているパク・ホワンホウさんは、「日本の指導者は、歴史を正しく認識すべきだ」と指摘しています。

　パクさんは、「靖国神社を参拝することは、侵略戦争を起こした日本の戦犯への崇拝だと思う。日本は過去の侵略を反省し、韓国や中国を含む被害国の人民に謝罪すべきだ。日本が韓国との関係を改善したいなら、歴史問題において、韓国に謝罪して、韓国人民に許してもらうべきだ」と話しました。

　在日韓国人のリ・スンヒーさんは、「在日韓国人は、日本の小泉首相の靖国参拝につよく反対する。あらゆる努力をして、小泉首相の靖国参拝を阻止する。11日に日本に戻る予定だが、靖国神社で行われる平和を祈るデモに参加するつもりだ。小泉首相の靖国神社参拝に反対するようみんなに呼びかける」 と話しています。

　デモに参加した人のなかに、日本人もいます。大阪から来た吉岡ノリコさんと井前智子さんは、みずから記者のところに駆け寄り、決して流暢ではない韓国語で、「慰安婦問題について、いまだに被害者に謝罪していないし、賠償もしなかった。日本人として、とても恥ずかしく思っている。日本の首相の靖国参拝にも強く反対する」と述べました。

　また、韓国の慰安婦に手を差し伸べ、日本で訴訟を起こした7人の弁護団の方々も見えました。

　高橋信さんはそのうちの一人です。高橋さんは、「靖国神社は侵略戦争を賛美する神社なので、それを参拝することは、絶対許すことが出来ない。歴史問題をきちんと清算できなければ、慰安婦たちが救われないし、日本の国民の尊厳が回復できない」と述べました。