インドの首都ニューデリーで３ヶ所の市場で29日の夜、相次いで爆発が発生し、少なくとも65人が死亡し、100人以上が負傷しました。インド政府は今回の連続爆発をテロ襲撃事件と認定していますが、今のところ、いかなる組織あるいは人も犯行声明を出していません。

　爆発が起きた３つの市場はニューデリーの繁華街にあり、爆発の際、大勢の市民はインド最大の伝統行事「ディワリ」を迎えるため、この3つの市場で買い物をしていました。このため、今回の連続爆発テロが多くの死傷者を出させました。一回目の爆発がニューデリー駅に近いパハルガンジ市場で発生しました。目撃者によりますと、この爆発が起きた後、人々はあちこち逃げ惑い、爆発された地区の中心部にある店舗がほとんど壊れ、警察は直ちに市場周辺の道を封鎖しました。その後、ニューデリー南部にあるサロジニ市場とゴヴィンドプリ市場でも相次いで爆発が発生しました。そのうち、サロジニ市場では死傷者の数が最も多かったとのことです。この市場が大使館周辺に近く、ここの住民は、爆発の際、家屋も揺れていたと話してくれました。

　連続爆発が発生した後、ニューデリー警察は現場を直ちに封鎖し、最高の警戒態勢を敷いて、緊急事態を実施し、市内の空港、駅及びバスターミナルなどに検問所を設置しました。警察側はまた、ニューデリーの全ての大型市場を閉鎖するよう命令しました。インド内務省は安全部門責任者のハイレベル会議を開くとともに、外出しないよう市民に呼びかけました。また、これと同時に、ムンバイとコルカタを含むインドのその他の都市も警戒のレベルを引き上げました。最新情報によりますと、ニューデリーの警察は市の中心駅及びバスターミナルで容疑者10人を逮捕し、これからパハルガンジ市場周辺の旅館及びホテルで捜査を行なっています。

　インド内務省が29日発表したところによりますと、今のところ、犯行者を特定するのはまだ早く、今一番重要なのは被害者を救援することだとのことです。一部の関係者は、「今、インドとパキスタンは、イスラマバードでカシミール地区の一部実効支配線の開放と合同救済などについて交渉を行なっている。カシミール地区のテロリストはこれを敵視し、今回の連続爆発事件を起こしただろう」と見ていますが、また一部の関係者は、「インド国内の過激勢力あるいは分裂勢力が今回の事件を起こした可能性が大きい」と指摘しています。

　インドのマンモハン・シン首相は29日の夜、そのマスコミ担当の顧問を通じて、一般市民に対するこの連続爆発テロを強く非難し、この事件が明らかなテロ行為だと批判し、インド国民はテロリストに絶対に負けないと語りました。インドのカラム大統領も同日声明は発表し、この連続爆発事件の犯行者を強く非難しました。インド国民会議派のソニア・ガンジー総裁は、インド国民が団結してテロリズムを取り締まるよう呼びかけました。