ニューデリーでは29日爆発が連続して3回発生し、30日までに死者が59人、負傷者は210人に達しました。
インド政府は今回の連続爆発事件をテロ攻撃と断定し、30日の記者会見でパティル内相は「連続爆破に関与した疑いで22人を拘束し、捜査が進められている」と発表しました。
連続爆発が発生した後、警察は現場の市場を封鎖して市内繁華街の閉店を命令し、爆発現場周辺の宿泊・飲食施設、交通機関を徹夜して捜査を展開しました。
ニューデリーの治安当局は「犯人はまだ確定されておらず、捜査の内容は今の段階で公開できない」とし、パティル内相は30日の緊急閣議の後、「捜査活動が順調に進められており、多くの情報を入手した」としました。
爆発の後、カシミール地方で活動する組織「インクラブ」は現地の報道機関に電話を掛け、犯行を認め、カシミールからのインド軍撤退を要求しました。1996年発足したこの組織は、活動が活発ではないももの、カシミール地方の分離独立を求めるイスラム過激派「ラシュカレトイバ」と関連しています。警察当局は電話内容の確認に取り組み、情報ホットラインを開設し、犯人情報に対し10万ルピーにのぼる奨励金の支給を約束しました。
インド国内のメディアは「警察当局が入手した情報は充分ではなく、犯人の最終的確定まで時間がかかり、現段階でイスラム過激派ラシュカレトイバへの疑いが大きい」としています。
新聞「インドタイムズ」は「ラシュカレトイバによる犯行の可能性が最も大きく、ニューデリーの裁判所で審理を受けているこの組織のメンバーは政府への報復を警告した」とし、新聞「インドエクスプレス」は「政府の対テロ専門家と捜査要員によりますと、ラシュカレトイバによる犯行の可能性が最も大きく、この組織は国際テロ組織アルカイダと関連し、カシミール地方の分離独立を求め、北部で活発な活動を展開してきている。政府は2003年のムンバイ爆破テロと2001年の国会襲撃事件にラシュカレトイバがかかわっていたと指摘してきている」としました。
犯行の手段を見れば、今回の連続爆破テロは国際テロ組織との関連が見られます。警察によりますと、爆発には軍用プラスチック爆弾に使われる強力な爆薬へキソーゲン(RDX)が使用され、2003年のムンバイ爆破テロと2002年のインドネシアバリ島爆破テロも同様、へキソーゲンが使用されました。
今回の連続爆破テロはヒンズー教の最も重要な祭り「ディワリ」を前に、買い物客で賑わった商店街で発生し、当日はインドとパキスタン両国政府はパキスタンの震災救援のためカシミール地方の実効支配線の開放をめぐる協議を開きました。
こうして見れば、ニューデリー爆破テロの目的はインド国内の情勢を撹乱し、パキスタンとの和解を妨げることにあると見られています。
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