韓国を訪問中の国連のアナン事務総長は15日ソウルで、韓国のバン・キムン(潘基文)外交通商相と会談しました。双方は朝鮮半島の核問題、韓国と国連との協力、国連の改革など共に関心を寄せている問題について踏み込んだ意見交換を行いました。これについて、世論は、「会談の内容は幅広いものだが、朝鮮半島の核問題解決での膠着状態を打破し、6カ国協議の再開を図ることが重点だ」と見ています。
アナン事務総長は14日ソウル入りし3日間にわたる訪問を始めましたが、朝鮮半島の核問題をめぐってアメリカと朝鮮は、金融制裁と人権問題など問題で膠着状態にあり、6カ国協議の再開は難しくなっています。ですから、アナン事務総長の韓国訪問がこの問題解決を如何に促せるかが焦点となっています。
アナン事務総長はバン・キムン外交通商相との会談後に開かれた記者会見で「6カ国協議をいち早く再開する必要がある。それも、人権問題は朝鮮半島の核問題とは別に解決すべきだ。朝鮮半島の平和と安定の実現で最も重要なのは核問題の解決であるが、人権などの問題は同時に処理すべきではない」と強調しました。
会談で双方は、朝鮮半島の核問題とイラン核問題を含む核拡散防止について討議し、交渉を通じて共同の認識に達することが最適な方法だという点で合意し、さらに、6カ国協議開催の必要性と第四回協議で発表した共同声明を履行する必要性についても合意しています。アナン事務総長は「6カ国協議をいち早く再開し、交渉を通じて6ヵ国が解決案を見出すことを希望している」と述べると共に、6カ国協議に自信を持ち、協議再開のため努力するよう関係各方面に呼びかけました。
バン・キムン外交通商相は会談で、朝鮮半島の核問題解決にこれからも関心を寄せ、支持していくよう国連に要求しました。
韓国のメディアが注目している国連の次期事務総長の人選について、アナン事務総長は、これに立候補するバン・キムン外交通商相の政治的経験と国連での仕事ぶりを高く評価しました。アナン事務総長は「次期事務総長がどの地区から選出されるかは、法的根拠はないが、しかし、これまで数十年の慣例から見れば、今回はアジアから選出されるはずだ」と語りました。これは、韓国及びバン・キムン外交通商相にとっては大きな励ましとなっています。
国連の改革問題について、バン・キムン外交通商相は「21世紀に人類が直面するリスクとチャレンジは多くなるだろう。したがって、国際問題における主導的な役割を効果的に発揮するため、国連の各機構は改革を行う必要がある。国連の改革は透明であり、効率が高く、実際の結果を重んじるべきだ」と語りました。
以上のことについてアナリストは「アナン事務総長の訪問を通じて、朝鮮半島の核問題、朝鮮と韓国の協力と対話など焦点となっている問題で朝鮮との相互理解と交流が強化され、また国連の支持を獲得できるよう韓国は希望している。そして、これら問題における国連の役割と影響を強化することが、アナン事務総長の韓国訪問の目的である。アナン事務総長はこのあと、6カ国協議参加国である日本、中国などの国を訪問するが、朝鮮半島の核問題と6カ国協議の再開は依然として今回の北東アジアの訪問国との交渉における重点だ」と見ています。
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