国連創設60周年首脳会合はこのほど、ニューヨークの国連本部で開かれ、150カ国の元首と首脳が国連改革、世界発展、集団安全などの問題について幅広く討議し、多くの改革内容を盛り込んだ「成果文書」を採択しました。元国連事務次長、中国国連協会の金永健会長はこのほど、記者会見で「首脳会合などを通じて国連の地位と役割を更に明確させることを期待している」との考えを示しました。

　国連は最も代表性と権威性ある政府間機構で、国際的事務の中で不可欠の役割を果たしています。ここ数年、国連の権威性がたびたび危惧されていることから、一部の人が国連の地位と役割に疑いを持つようになりました。金永健会長は「国連創設60周年記念行事を通じて、国連の地位と役割を改めて確立させる必要がある」とした上で「国連の重要な役割の一つはルールや国際法それに国際公約などの制定にある。これらの記念行事を通じて、国連の地位と役割をより明確にかつ積極的に定めることを期待する」と述べました。

　金永健会長は国連改革という最新の話題に言及しました。金永健会長は「創設当初と比べて、国連が直面している国際情勢、メンバーの構成、担っている歴史的な任務などの面で大きな変化が生じている。新しい情勢に従うため、国連改革を進める必要があることで各加盟国が一致した。しかし、国連改革の具体的な内容や改革の重点について加盟国間に見解の食い違いが存在している。多くの発展途上国はミレニアム発展目標の達成、経済発展、貧困撲滅などの問題をいかに解決するかに注目しているが、少数の国が国連安保理改革だけに関心を寄せ、それを安保理常任理事国入りのきっかけとしている」とした上で「国連改革は全面的な改革で、多くの発展途上国が関心を寄せることは安保理改革ではなく、国連の発展問題、貧困撲滅、エイズの防止・治療などの面で具体的な措置を講じ、過去の承諾を繰り返さなくでほしい」と語りました。

　金永健会長はさらに「国連改革が各方面の利益を考慮すると同時に、多くの発展途上国の権益を保障し、平和と安全を促進させ、経済社会を発展し、人権の保障と促進や国際ルールの制定などでより効果的な役割を果たすことを期待する」との考えを示しました。

　国連安保理改革の問題について、金永健会長は「今、安保理改革について加盟国間の食い違いが大きいことから、幅広い討議を通じてこそ解決できる。安保理改革に期限を定めることは現実的ではない」とした上で「安保理改革は各加盟国の異なる立場と異なる利益に関係し、こうした状況の下で、幅広い討議を通じて最大限の合意を達成することは正しいやりかだ」と述べました。