IAEA・国際原子力機関はイラン核問題を国連安保理に報告してからすでに二週間になりましたが、常任理事国5カ国はこの問題について依然として合意を達成しません。関係者は「現在、関係方面が重要な選択に直面し、その結果はイラン核問題の動きに大きな影響を与えることになる」と指摘しました。
20日、アメリカ、ロシア、中国それにイギリス、フランス、ドイツEU3カ国はニューヨークでイラン核問題に関する協議を開いたが、各方面は合意を達成しませんでした。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ四カ国はイランへの圧力強化の安保理議長声明の採択を主張し、イギリスとフランスは更に議長声明の修正案を提示しました。この修正案についてロシアと中国の代表は二つの反対意見を提出しました。まず、修正案はIAEA ・国際原子力機関のエルバラダイ事務局長が二週間以内にイラン核問題に関する最新の動きを安保理に報告し、安保理が次の段階の行動を決めるようにすることを要求しました。ロシアと中国はこの期限が短か過ぎると主張しています。報道によりますと、ロシアはこの期限を6月に開かれるIAEA理事会まで延期したいと主張しているとのことです。次は、ロシア・中国と西側四カ国の意見の相違はIAEAの現段階の役割に注目が集まっています。ロシアと中国は「安保理は引き続きIAEAの活動を支持すべきで、これに取って代わることができないので、イランの核問題の解決をIAEAの枠組みの下で平和的に解決させることを目指しています。
一方、イランは依然として譲歩しない立場を示しています。関係者はイラン側の態度はイギリス、フランス、ドイツ三カ国を失望させるだけでなく、中立的立場に立つIAEAのエルバラダイ事務局長も根気がなくなりました。また、イランが強硬な立場を主張することによって、EUはアメリカと連携せざるをえず、アメリカにイラン核問題を主導するチャンスを掴ませるようになりました。ヨーロッパの世論は「イランは欧米の食い違いを利用して、利益を得る考えは実現できない」とみています。
このところ、アメリカの立場もますます強硬になっています。ブッシュ大統領は16日に公表した「国家安全保障戦略」の報告で、イランを最大の脅威と位置付けたとした上で、「必要な時に軍事的手段でイスラエルを守る」とイラン側に警告しました。
しかし、イランは当面の情勢を楽観的に判断しています。アメリカ政府はイラク問題や国内政治スキャンダルによって、大きな政治的圧力に直面しており、イスラエル側が国内の党派紛争に加えて、パレスチナのハマスの台頭に対応しなければなりません。このほか、デンマークの新聞が、イスラム教の預言者ムハンマドを批判的に描いた風刺漫画を掲載したことによって、中東・イスラム世界では反発の声が巻き起こり、これはイスラム世界と西側諸国が行っている宗教と文化の戦いであると見られています。また、イランはそれと重要な利害関係を持つロシアが国連安保理でその後ろ盾とすることを期待しています。つまり、当面の情勢から見れば、イランはアメリカが軍事攻撃を発動する可能性はないと認めています。
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