パレスチナ自治政府のイスマイル・ハニヤ首相はこのほどアメリカのメディアのインタビューを受け、「ハマスはパレスチナ人の利益に符合するパレスチナ・イスラエル協定を遵守し、段階的にイスラエルとの和平を実現していく」と表明しました。一方、西側諸国はパレスチナに経済封鎖を実施するかどうかについて態度が微妙に変化しています。
パレスチナ自治政府のハニヤ首相はこのほど、アメリカの新聞『ワシントンポスト』のインタビューを受け、「イスラエルが1967年(第三回中東戦争前)の停戦ラインを国境とするパレスチナ国を承認し、その占領したヨルダン川西岸の土地や東エルサレムから撤退し、拘束されたパレスチナ人を釈放し、パレスチナ難民の帰還権を認めるなら、ハマスはイスラエルを承認し、和平交渉を行うことを考えるつもりだ」と表明しました。ハニヤ首相は更に「ハマスはイスラエルと段階的に和平協定を結ぶことを主張し、第一段階はイスラエルとの長期的停戦を図ることだ。ハマスはユダヤ人に敵意を持っておらず、ユダヤ人を海に追い出すつもりはない。ハマスの目標は占領されたパレスチナ領土を取り戻すことだ」と語りました。
ハマスがパレスチナ評議会選挙で勝利した後、イスラエルは直ちにハマスと接触する三つの条件を提出しました。即ち、イスラエルを認めること、暴力抵抗を放棄すること、パレスチナ・イスラエル協定を受け入れることです。アメリカ、EU・欧州連合、ロシア、国連を含む中東問題に関する四者もこの三つの条件を受け入れるようハマスに呼びかけ、これはこれからの対パレスチナ援助に関わるとの考えを示しました。インタビューの中、ハニヤ首相はイスラエルを承認することや、暴力を放棄することを明らかに表明しなかったものの、1967年中東戦争前の停戦ライン以内でパレスチナ国を樹立することや、段階的にイスラエルとの和平を実現する態度は、『パレスチナ全土を解放し、イスラエルを壊滅させる』というハマス従来の伝統的強硬な立場を遥かに突破しています。これはイスラエルの『接触する三つの条件』への間接的回答です。関係者は、「ハマスは柔軟性のある『曖昧策略』で、西側諸国のボイコットを突破することを狙っている」と見ています。
これを受けて、中東問題の四者は如何にハマスに対応するかという立場で微妙な変化が現れています。西側諸国は「経済封鎖」でハマスの立場を変える最も効果的な武器だと見ています。特にハマスに強硬な態度を持っているアメリカはこの前、「ハマス政府は経済援助を得ようとすれば、イスラエルを承認し、暴力抵抗を放棄しなければならない」と何回も表明しました。アメリカの近東事務を担当しているウェルチ国務次官補は25日パレスチナを訪問した際、「アメリカは引き続きパレスチナに人道的援助を提供する」と急に立場を変えました。これに対し、パレスチナのエレカット首席交渉代表は、「アメリカのパレスチナへの経済援助のほとんどは人道主義援助で、非政府機構を通じてパレスチナのインフラ建設に投入しているが、直接パレスチナ自治政府に渡すものではない」と語りました。 関係者は、「ウェルチ国務次官補の発言によって、アメリカの『経済封鎖』の役割が小さくなるだろう」と見ています。
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