第2次世界大戦中に日本に強制連行され、炭鉱労働に従事させられた河北省の農民・田春生さん(76)がこのほど、中国民間対日索賠(賠償請求)聯合会を通して、対日賠償請求訴訟を起こすことになった。民間の対日賠償請求訴訟の場が日本から中国に移った初のケースだ。新華網が伝えた。
田(旧姓・姫)さんは1944年4月、父の姫傅義さんと共に日本に強制連行され、三井三池炭鉱で採掘に従事させられた。日本への連行と労働の中で、田さんや多くの中国人労働者は非人道的生活を余儀なくされ、父もこれが原因で客死した。1945年末に解放されて帰国したが、採掘の賃金は1銭ももらえなかった。
「中国民間対日賠償請求の第一人者」と呼ばれる中国民間対日索賠聯合会の童増会長によると、同会はこのほど創立されたばかりで、被害者から依頼を受けるのはこれが初めて。童会長は「現在の状況から見て、日本で勝訴する見込みは極めて低い。一方、対日訴訟の場を中国国内に移すことは司法理論面からも司法管轄面からも可能だ」と説明。「これは中国の民間対日賠償請求訴訟の場が日本から国内に移った初のケースであるとともに、聯合会が提訴を支援する初の民間対日賠償請求訴訟だ」と述べた。同聯合会は今後、国内で経験ある弁護士を探して訴訟を起こすことになる。(編集NA)
「人民網日本語版」
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