中国の旧正月である春節の連休も5日で終わりましたが、一年で鉄道輸送の最も忙しい時期に、南北交通の中枢地点である河南省鄭州市では稀にみる大雪に見舞われ、鉄道ダイアルが乱れました。幸いなことに、春節前に中国政府は応急マニュアルを実施したことにより、乱れていたダイアルが3日間で正常に戻りました。
今回起動された九項目の応急マニュアルは人々の生活と密接に関わる地下鉄事故、送電網の広範囲停電、鉄道事故、また、これまで発生した生産現場の事故と突発性環境事故が含まれています。更に、民間航空事故、海上救援、通信保障及び核応急マニュアルも盛り込まれています。毛寿竜主任はこれらマニュアル制定の目的について「これらマニュアルの目的ははっきりしており、まずは政府の機能を向上させること、そして、損害を最小限に食い止めること、更に、安全と安定を保障することで、最終的には経済発展を確保することである。特に、応急管理で必要とされる資金、物資及び交通輸送、治安維持などを確保して人々の生活を保障することが強調されている。もう一つは、事前の予防に力を入れ、事故発生をふせぐことだ」としています。
この九項目の応急マニュアルは、運輸、航空、生産、電力、環境など多くの分野に及んでいますが、各種事故の特徴によって、関連部門の責任と権限を明らかにし、緊急事態に対応する手順と原則を規定し、必要な予備と保障の配置が行われています。
突発性事件にいかに対応するかは政府の機能を見極める上での重要な要素で、2003年のSARS発生後、中国政府は各種の突発性公共事件の応急マニュアルの制定を加速し、『国家突発性公共事件応急マニュアル』が今年初めに公布されたことにより、中国のこの面の応急マニュアルの枠組みが初歩的に形成されたのです。毛寿竜主任はこれについて「今回公布された応急マニュアルは過去の経験をまとめたものだ」と評価したあと、「これらマニュアルは過去の経験をまとめたものだと言える。つまり、通常の突発性事件に対して、政府は一定の対応能力を有し、また、対応システムもある。一方、SARSやこのほどの松花江汚染のような危機に対しては異なる業界間や地域間の協力が弱かったことが目立った。そこで、今回のマニュアルには組織間の協力と協調などについて、多くの項目が盛り込まれだ」と話しています。
更に、毛寿竜主任は「今回公布された九項目のマニュアルから、中国政府の緊急事故処理における原則での変化が見られる。つまり、人を最優先していることだ」として、「これまで緊急事故への対応では、国の財産、国の安全或いは管理上の便宜を優先したていたが、今では人々の生命と財産の安全を確保することを優先し、死傷者の数をもっとも重要視するようになった。つまり死傷者を最小限に抑え、その次に損害を減らすことだ」と述べました。
実は、春節の期間中、この応急マニュアルは効果を発揮したのです。先月28日の大晦日、中国の中部と北部の多くの都市では濃い霧が出て航空ダイヤルが乱れましたが、各部門が応急マニュアルをスタートさせたことにより、旅客たちは他の交通手段によって無事に帰省したのです。
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