中国の伝統的な暦によりますと、今日は旧正月の元日すなわち中国の伝統的な祝日・春節に当たります。ここ数日、中国の至るところで楽しい雰囲気に溢れています。今日の中国リポートは中国各地の人々が楽しく春節をお祝いしている様子をお伝えしましょう。

　4000年以上の歴史を持つ春節は、中国人にとってはクリスマスが欧米人にとって大切なように非常に重要な祝日です。これをお祝いするため、中国の人々は門の両側に「対聯」と呼ばれる縁起のよい言葉が書かれた赤い紙を貼ります。また、春節は一家団欒の祝日で、大晦日の夜には、故郷を離れて生活していた家族たちがみんな実家に戻って、家族団らんの食事をします。また、灯篭をかけたり、餃子を作ったり、花火や爆竹を打ち上げたり、街のあちこちはとてもにぎやかです。 

　この日に爆竹と花火を鳴らすことは中国の古い伝統です。北京市では今年は14年ぶりに爆竹鳴らしを解禁されましたから、町のあちこちに若者や子供たちが爆竹を鳴らし楽しんでいる情景が見られました。

　春節は住民にとっては楽しい祝日ですが、指導者にとっては一年中で最も忙しい時です。この20数年来、春節期間中、中国の指導者は毎年、農村や貧困地区の住民家族を尋ねます。今年、胡錦涛国家主席は西北部の陝西省延安地区の農村に入り、地元の農家への年始回りをしました。51歳の農業科学技術者・康海発さんを尋ねた時、康さんの家族と一緒にお餅を食べました。その際、胡錦涛国家主席は、「皆さんの生活が豊かになっていることを見て、心より嬉しく思っている。中国共産党中央が社会主義新農村を建設するという理念を提出することはより多くの農家たちに豊かな生活を送らせるようにすることだ」と述べました。

　温家宝首相は平民首相として毎年春節期間、普通の農家や労働者の家族を尋ねます。数年前から、出稼ぎ労働者給料滞納問題が深刻化しつつあり、温家宝首相はこの問題を非常に重要視し、自ら出稼ぎ農民のために給料を請求したことがあります。温家宝首相は今年、山東省の出稼ぎ農民・王恩行さんの家族を訪れ、関心を寄せる給料問題を調べました。

　温家宝首相は「給料をもらいましたか」と聞いていました。 これに対し王恩行さんは「すでにもらいました」と答えました。

　春節期間中、各地でにぎやかな縁日が開かれ、人々がヤンゴ踊りやジャ踊りなどの伝統的な行事を行います。特に蛇踊という龍が舞う踊りは子供たちに喜ばれています。龍は水の神様とされ、五穀豊穣を願う伝統が今でも受け継がれています。では、この踊りのリズムに合わせて、中国の春節の賑やかな雰囲気をお楽しみいただきながらお別れしましょう。