今、中国人は中華民族にとって最も重要な伝統的祝日の春節を過ごしています。今年は、北京をはじめ一部の都市で数年ぶりに爆竹の音が鳴りひびきました。今年の春節は一部の都市では爆竹の禁止令が解除された初めての春節となります。
北京市西側の石景山区にある住宅団地には、緑色のダウンコートを着た女の子マオマオちゃんがおじいさんと爆竹を鳴らしています。今年6歳のマオマオちゃんがこんなに近いところで爆竹を鳴らすのを見るのは初めてです。北京市での爆竹禁止はすでに12年間も続いていたからです。
(記者)「面白いですか。」
(子供)「おもしろい。まるでロケットが太陽に向かって飛んでいくみたい。」
中国人は祝日やおめでたい出来事のときに爆竹を鳴らして祝う習慣があります。この風習はすでに2000年近くもの歴史があります。しかし、爆竹を鳴らすことの問題点もいくつかあり、死者や負傷者が出ることに加えて、環境汚染、火災発生などが挙げられます。このため、1990年代のはじめから、上海、北京など280あまりの都市で相次いで爆竹が禁止されるようになりました。
爆竹の禁止は環境保護と人々の安全には効果がありますが、春節の雰囲気がなくなったという意見も出ました。ここ数年、爆竹を禁止していた都市は相次いで「爆竹の制限」にまで規制を緩めました。つまり決められた時間帯と場所で爆竹を鳴らすことができるというものです。具体的にいえば、深夜の人々が休むとき、また名所旧跡、ガソリンスタンド、医療機関の周辺などでは爆竹をならしてはいけません。
そして北京は今年から爆竹禁止を解除し、制限措置を実施し始めます。このやり方は市民に歓迎されています。北京の風習を研究する候会さんは、「爆竹は春節のイベントで最も雰囲気の出る風習だ。すでに中国人の文化となった。爆竹の制限措置は、民衆の願い、文化と民族の伝統を尊重する政府の考えを表している」と話しました。
しかし、このことに反対する人も大勢います。外科医の呉剛さんは、「毎年爆竹による爆発事故が発生し、多くの人が死傷する。ある年の大晦日、夜勤をしていた夜10時、患者が病院にやってきた。この患者は爆竹で顔をやけどし、片方の目が失明した」と話しました。
市民の安全を確保し、爆竹が人々の日常生活にもたらす影響を減らすため、地方政府は一連の措置を講じるほか、認可された爆竹売り場を設置し、安全検査をした爆竹を販売します。爆竹のお店を経営している李貴さんは店の爆竹を指し、「これらはみんな国家爆竹弁公室が送ってくれたものだ」と教えてくれました。このことについて、上海市民の李偉さんは、「禁止も制限もいいことじゃないか。爆竹の品質も確保されるし、危険な場所では禁止されるし、大きな被害は出ないだろう」と安心しています。
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