中央アジアの天然ガス大国・トルクメニスタンのニヤゾフ大統領は22日から23日までロシアを訪問しました。ニヤゾフ大統領とロシアのプーチン大統領は会談を行い、双方が両国のエネルギー協力の規模を更に拡大させることで合意しました。関係筋によりますと、「天然ガスパイプライン爆破事件によってロシアとウクライナの関係が悪化している時、ニヤゾフ大統領のロシア訪問は両国が協力を強化し、国際エネルギー市場を共同で開発する意思を示した。この二つの天然ガス大国が仮に連合すると、東ヨーロッパ地区の天然ガス価格をコントロールできるようになってしまう」とのことです。今日の時事解説はこれについてお話しましょう。
ニヤゾフ大統領と会談する際、プーチン大統領は「エネルギー面での協力はロシアとトルクメニスタン関係における最も重要な内容である。ロシアは去年年末にトルクメニスタンと調印した関連のエネルギー協力協定に満足の意を表し、両国がエネルギーの採掘と輸送において相互協力を強化することを期待している」とした上で、両国の経済貿易協力をスムーズに行うため、両国間で結ばれた貿易条約や法律文書の整理を提案しました。また、ロシアとウクライナの天然ガス紛争についてニヤゾフ大統領はロシアの立場に理解を示し、「ロシアの行動は全ヨーロッパ地区のエネルギー供給を確保するためだ」としています。
会談中、双方は天然ガスパイプラインの協力建設案について討議を行いました。ニヤゾフ大統領は「現在のトルクメニスタンからウズベキスタン、カザフスタン、ロシアを経由し、ウクライナまで通っているパイプラインはすでにトルクメニスタンの天然ガス輸出需要に充分とは言えない」と述べました。これに対し、プーチン大統領は「ロシアはパイプラインの建設においてトルクメニスタンに支援を提供することを希望する」との考えを示しました。
トルクメニスタンの経済的利益にとって、ロシアとの協力は有利です。中央アジアのトルクメニスタンは世界天然ガス資源が豊かな国の一つであり、その天然ガスの埋蔵量は世界でも上位にあります。しかし、交通分野及び工業のインフラが不足していることから、この国の天然ガスの採掘と輸送のレベルを更に向上させる必要があります。このほど、ロシアとウクライナの天然ガス紛争が発生した後、一部の東ヨーロッパ国はエネルギー輸入の多元化を目指し、トルクメニスタンに視線を向けはじめました。これによって、トルクメニスタンは天然ガスの採掘と輸送のレベルを更に向上させる必要があります。
ロシアにとってはトルクメニスタンをそのエネルギーパートナーにすることで、自国の立場をエネルギー優位から政治的優位へ転換するという戦略を立てています。今、ロシアとトルクメニスタンが競争相手から友人となることは双方が連携してこの地区の天然ガス価格をコントロールしようとしていることが分かります。
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