ウクライナのプラチコフ燃料エネルギー相とロシアのフリステンコ産業エネルギー相は29日、2006年ロシアがウクライナへ供給する天然ガスの価格について交渉を続けてきましたが、何の進展も遂げませんでした。ロシア国有天然ガス工業株式会社はこの日、「両国は天然ガスの価格で合意できないと、ロシアは1月1日から天然ガスの供給を停止する」と改めて強調しました。現在、両国の専門家は応急措置の制定を急いでいます。
現在、ウクライナでは毎年使っている天然ガスの総量は800億立方メートルで、そのうち3分の1がロシアからのものです。旧ソビエトが解体してから今日まで、ロシアは旧ソビエト時代の優遇政策によってウクライナとその他の独立国家共同体諸国に天然ガスを供給しており、その価格は国際市場価格の5分の1です。今年に入って、ロシアはこれまでのエネルギー供給政策を徐々に改正し、5月、ロシアとウクライナは天然ガスの価格を調整する交渉を始めました。その後、双方の意見の食い違いが大きかったので、一時的に中断されました。両国の大統領が27日達成した共通認識に基づき、両国の関係者は28日交渉を再開しました。
29日に行なわれた交渉は長引きましたが、進展は見られませんでした。ウクライナのプラチコフ燃料エネルギー相は会談後、「双方は30日も交渉を続ける。また両国は価格の問題で意見の一致に達成できない」と明らかにしました。ロシア産業エネルギー省の関係筋はマスコミに、「ロシアは天然ガスの価格を千立方メートル当たり50ドルから220ないし230ドルに引き上げることを堅持しているが、ウクライナは95ドルしか認めていない。意見の食い違いが余りにも大きいので、来年の1月1日までに、意見の一致は達成する可能性が少ない。今、両国の専門家は補完措置の制定を急ぎ、意見の一致が達成できない場合、ウクライナへの天然ガス供給は直ちに停止されることを防ぐためだ」と述べました。この関係筋はまた、応急措置を制定することは両国交渉の主な議題になっていると明らかにしました。
しかし、ロシア国有天然ガス工業株式会社のスポークスマンは29日、「双方は、来年の1月1日までに、天然ガス供給契約を結ばないと、ウクライナへのガス供給を直ちに停止する」と語った後、「ウクライナは交渉で誠意を示しておらず、ロシアと数字ゲームをしているだけだ」と非難しました。
ドイツなどの西ヨーロッパ諸国もロシアとウクライナの交渉に注目しています。というのは、西ヨーロッパ諸国がロシアから輸入した天然ガスが殆どウクライナ経由で、ウクライナへのガス供給が停止されれば、ガス輸送パイプラインなどの圧力が一時的に低下し、これは西ヨーロッパ諸国へのガス供給にも影響をもたらします。そのため、ドイツなどの国々も応急策を考えているとのことです。
ロシアとウクライナの交渉を踏まえ、専門家は「両国の交渉は楽観視できない。双方はこの問題を最終的に解決するまでには、応急策を急がなければならない」としています。
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