中国の一部の地方で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたことによって、多くの住民は鶏、アヒルなどの家禽類食品の安全性に疑いを持つようになりました。こうした背景の下で、中国の飲食業、特に家禽類料理関係のレストランがどのような影響を受けているか、それに対していかに対応しているか。
北京のある会社で働く若い女性・李倩さんは最近、昼ごはんの習慣が大きく変わりました。今まで会社の入っているビル内にあるファストフード店ケンタッキーで昼食を済ませていた彼女は、最近、遠くへ足を伸ばして牛肉ラーメンを食べにいくようになりました。李さんは「最初、鳥インフルエンザが家禽類の間だけで感染すると思っていたことから、あまり気にしなかったが、今、人間への感染が明らかになって、家禽を使った食品を食べる気がしなくなった」と言います。
現在、中国ではこのように思う人が多くなりました。そのため、家禽類を使った料理のレストランはお客さんが激減すると言う状況に陥っています。ある報道によりますと、ケンタッキーフライドチキンは中国に1500の店を持っていますが、その10月の販売額は余り伸びず、また、中国で有名な北京タックの店を経営する北京全聚徳株式有限公司も鳥インフルエンザ感染地区での販売額が減少しているとのことです。
この状況に対応するため、家禽類を使った料理のレストランの経営者はお客さんの心配を解消するためあの手この手を尽くしています。ケンタッキーフライドチキン広報部は「ケンタッキーの原料の鳥はいずれも検疫部門の合格証明書を持ち、加えて170度の高温で調理している」と説明しました。また北京全聚徳株式有限公司の責任者・劉建平さんは「われわれは関連規定に基づき原料の安全性を確保すると同時に、消費者のニーズを満たすためさまざまな関連措置を講じている」と語りました。
今、鳥インフルエンザの影響によって、一部の消費者は家禽類の食品を食べなくなりました。しかし、予防知識の普及に伴い、安全が保証された原料を使う食品企業の経営状況は以前と変わりなく良好です。安徽省合肥市にある食品企業の経営者・束従軒さんは「今、消費者も理性を持ってきている。鳥インフルエンザの予防は可能であることが、私のレストランに訪れるお客さんもけっこう増えている」と語りました。
現在、鳥インフルエンザによって影響を受ているのは主に家禽類を使った料理に関わる飲食業で、他のレストランへの影響はわずかだということです。商務省の報告によりますと、今年1月から10月まで、中国の飲食業の小売額は去年同期より17%多い、7000億元に達しました。これは鳥インフルエンザの影響を受けたものの、中国の飲食市場が依然として好調だということを示しています。
|