五月中旬は、大学入試を控えた子供を持つ北京の親にとって、大変な時期です。6月の全国統一試験を受ける前に、大学の志願校を決めなくてはならないからです。
中国では、大学への出願は、受験の前と成績が出た後の二つの方法があり、省などによってまちまちです。北京は受験前に出願する形を取っています。その理由は、試験の成績より自分の希望を大事にしてもらいたいからだということです。
しかし、親の気持は違います。ごく普通の子供でも、試験という登竜門を跳び越えて名門大学に受かってほしいと考えます。成績が出てからの出願であれば、安心して大学を選べますが、北京の方法では、無難な安全圏の大学を優先するしかありません。希望の大学よりややランクを下げ、同時に将来性などを考えて専攻の選択に力を入れます。一回の試験で人生が決まる登竜門。北京で希望する大学に入れなかった場合を考慮して、全国の大学を視野に専攻を決める必要があります。かといって頭の良い子供やその親にとっても、大学受験は気軽なことではありません。もう一度競争の激しい大学入試を受けるなんて、考えただけでぞっとします。
登竜門を目指して一生懸命がんばっている受験生たち。日本の大学受験のシステムのように、一回のみのチャレンジではなく、一回失敗しても努力さえすれば次回で目標を達成できるという夢を与える方法は、より合理的なのではないでしょうか。
1.クイズの答え 一拍一拍をしっかり
「jiǎo」は「脚」と「饺」の字です。「脚」は靴を履く「足」です。「饺」は後ろに「子」をつけて、「饺子」と発音し、「餃子(ギョウザ)」のことです。
「jiǔ」は「酒」、「wài」は「外」、「wēi」は「微」で、「微」の中国語です。
こういった複雑なピンインの場合でも、子音か母音かに限らず、一拍一拍をしっかり出しながら、一つの発音にしましょう。どちらかを省くと不自然に聞こえます。
2. 前鼻音の-nと奥鼻音の-ng 「案」の発音で把握
いずれも鼻から出る音です。前鼻音と奥鼻音と言われると、なんとなく難しいように感じますが、実は日本語にも似たような区別があります。
たとえば、「案内」と「案外」。発音してみてください。ちっとも難しくないですね。意識して区別してみますと、同じ「案」でも、鼻からの響きが異なっています。「案内」の「案」は響かず、「案外」の「案」は響きます。
この現象を中国語では「前鼻音」(案内の案)と、「奥鼻音」(案外の案)と呼んでいます。ピンイン表記はそれぞれnとngとなっています。
さらに、発音するときの舌の先の位置を見てみましょう。「案内」の「案」は、舌の先が上の歯ぐきの裏側についていますね。また「案外」の「案」の場合は、舌の先は上の歯ぐきにつかず、舌の後部が奥に引いています。
つまり、前鼻音の舌の動きは「案内」の「案」の舌の先と同じです。奥鼻音は「案外」の「案」の舌と同様です。
3. 中国でも区別できない方言がある
中国語には前鼻音と奥鼻音の言葉が多く、日本語とは違いはっきり区別されています。こんがらがると意味が通じなくなってしまいます。また、方言の影響で、前鼻音や奥鼻音ができない人もいるため、話せばどこの出身かがすぐ分かります。たとえば、西安のある陜西省、敦煌のある甘粛省、長江・揚子江や黄河の上流域に位置する青海省などは、奥鼻音が重いことが特徴です。
一方、安徽省や江蘇省、浙江省などの一帯では、前鼻音と奥鼻音を区別するのが難しいようです。
4. 組別で前鼻音と奥鼻音を区別
an-ang en-eng in-ing という三組の発音があります。
yánは「盐」で、「塩」です。yángは「阳」と書き、「陽」の簡体字です。
fēnは「分」で、fēngは「风」、「風」の簡体字です。
また、děngは「等」で、「等」のほか「待つ」という意味でよく使われています。
línは「林」、língは「凌」と書き、「綾」の簡体字です。
この三組のほかには、ong、un、ünがあります。
5. クイズ
yan yangを区別してください。
次回は間違いやすいピンインを学習します。(朱丹陽)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |