「QQ」とは、MSNのメッセンジャーのような、インターネット上でチャットができるものです。中国では、このQQ派がけっこう多いみたいです。90年代から中国全土で使われていて、昨年までの登録ユーザーは、のべ3億人いると見られています。これは、中国の人口の4分の1近くに当たります。特に若者たちの間では携帯電話と同じような存在で、誰でもQQ番号を持っていて、いつもやりとりしています。QQを通していろいろな人と交流できるので、多くの人に親しまれているのです。あと、こういうチャットを通して知り合った人と恋におちるケースもあって、「網恋(ネット恋愛)」という言葉が最近はやっています。
実はこうした「ネット恋愛」という社会現象を歌った曲が、最近発表されて話題となっているのです。それはS翼楽団の『QQ愛』という曲です。リズムが覚えやすくて、特に、女性ボーカルのかわいい声が印象的です。
S翼楽団は、男女2人組のユニットです。男性のほうは孫輝さんといって、長年プロデューサーや作曲家として活躍していていた人です。女性のほうは王麟さん。そのかわいらしい声が特徴ですが、一方で文学の才能も持っている人だそうです。
ところで、S翼楽団というちょっと変わった名前について、メンバーの孫輝さんはこう語ってくれました。「もともとのユニット名は『SWING』だったんですよ。私の苗字「孫」の頭文字は『S』。それと、王麟の英語名は、「翼」という意味の『WING』。だから、『S』と『WING』をくっつけて、『SWING』というわけです。でもその後、『WING』の部分を漢字に代えたらおもしろいなあと思って。それで、『S』に『翼』と書いて、『S翼』にしたのです」
また、2人がユニットを結成することになったきっかけについて、2人はそれぞれ次のように話しています。
「孫:ユニットを組む前から曲はできていたんです。この『QQ愛』という曲をつくってから、一緒に歌ってくれるパートナーをずっと探していました。多く女性歌手をオーデイションしているうち、王麟さんとめぐりあったんですよ。
王:この曲を聴いたとたん、すぐに好きになりました。孫輝さんとだったら、いいコンビになれると思い、2人でS翼楽団を結成したのです」
こうしてコンビを組んだふたりですが、まずはインターネット上でこの曲を発表して、世の中の反応を見てみることにしたそうです。その結果、全国からものすごい反響があり、今回のヒットにつながったというわけです。インターネットを通じてだと、不特定多数の人に聞いてもらえるのがメリットでしょう。それに、幅広い年齢層に親しんでもらえそうな曲というのもあり、一気にブレイクしたというわけです。
『QQ愛』がこんなに大ヒットするとは、本人達もまるで予想していなかったようです。この曲をきっかけに、全国ツアーを行ったり、各種イベントへ参加したり、大忙しの毎日だそうです。
実は彼ら、デビュー曲の『QQ愛』がいきなり大ヒットして売れっ子になってしまったため、新しい作品を作る時間もない状態だそうです。だから、ファーストアルバムのリリースも延期となっているそうです。
でも、そんななか、最近、彼らの待望のニューシングル『梅嵐、梅嵐、我愛イ尓』が発売されました。
(詳細は、 『アルバム・ピックアップ』のコーナーで紹介しています)
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