旧正月、いわゆる春節の連休が終わったばかりの北京では、久しぶりに大雪となりました。この大雪により、交通が麻痺するなどの影響がありましたが、子供たちは一面の銀世界に大喜び。雪だるまを作って遊ぶなどして、思い切り楽しんでいます。
さて、今日の中国民族音楽は中国北部に暮らしている少数民族・ダフール族の風俗習慣と民族音楽を紹介しましょう。
内蒙古自治区東北部に暮らしているダフール族は長い歴史を持つ民族です。ダフール族の人々は自分たちが今から1100年前の遼の国の統治者・スキタイ族の子孫だと信じています。ダフール族の民族習慣には、スキタイ族の影響が多く見られます。例えば、ダフール族の伝統的なスポーツ・フィールドホッケーは1000年以上の歴史を持ち、遼の時代から伝わっているものだということです。今、中国国家のフィールドホッケーチームの選手はほとんどダフール族出身で、ダフール族の暮らす一帯は「フィールドホッケーの故郷」とも言われています。
では、今日まずお送りしますのはダフール族の民謡「(達斡人放排出山来(ダフール人がいかだを流す)」です。
達斡人放排出山来
お聞きいただいたのはダフール族の民謡「(達斡人放排出山来(ダフール人がいかだを流す)」でした。
北京中華民族園で働いているダフール族のガイド・ウランバリさんが、ちょっと面白い話を聞かせてくれました。それは、赤ちゃんのベッド、揺りかごの話。ウランバリさんは次のように話しています。
「ダフール族では、赤ちゃんをまだ一ヶ月にならないうちから揺りかごに寝かせます。赤ちゃんが目を開けているとき、母親は揺りかごを傾け固定します。こうすることで、赤ちゃんは回りの環境を見ることができ非常にリラックスするのだそうです。赤ちゃんの脳の発達を速め、認識力をアップすることに効果があると言われています。」
では、次にお送りしますのはダフール族の子守り歌「揺藍曲(揺りかごのうた)」です。この歌は優しい母親が子供に子守唄を歌っている情景を描いています。
揺藍曲
中国民族音楽、この番組は北京のスタジオから黄競がお送りしています。今お聞きいただいたのはダフール族の子守歌でした。
ダフール族では恋愛、結婚の自由があります。家族の中では女性の地位が高く、結婚した後母親を中心にした家庭を形成していきますし、娘の意見も非常に重視されるそうです。
一方、ダフール族の男性は、家事をすることも多いのだそうです。北京民族園のダフール族ガイド・ウランバリさんは次のように話しています。
「私が実家に帰ると、兄はいつも自慢料理・骨付き牛肉の塩茹でもてなしてくれました。また、牛肉の一番おいしい部分もよく食べさせてくれましたよ」
では、続いてお送りしますのはダフール族の民謡「回娘家的路上(ふるさとまでの帰り道)」です。この歌はお嫁に行った娘が実家に帰る時の喜びを表現しています。
回娘家的路上
おききいただいたのはダフール族の民謡「回娘家的路上(ふるさとまでの帰り道)」でした。
漢族と同じように、ダフール族は旧正月・春節を1年で最大の祝日として祝います。中華民族園のウランバリさんは次のように話してくれました。
「私は毎年大晦日の夜、実家に帰り、一家団欒で新年を迎えます。実家に帰る途中、家々の明かりを眺めていると、両親も私を待ってくれているんだなあと、とても暖かで幸せな気持ちになります」
では、最後にダフール族のラブソング「忠実的心想念ニイ(心から君を恋しく思う)」を聞きながらお別れしましょう。それでは、来週までご機嫌よう。再見。
忠実的心想念ニイ
|