中国西南部・雲南省南部に暮らしているワ族は歴史が長い民族で、その祖先は、雲南省西盟県の阿山にある洞窟から生まれ出たという伝説があります。なお、ワ族のワとは、"山の中で暮らすもの"という意味があります。ワ族の人たちは万物に魂があるとする自然宗教を信仰しています。
北京の中華民族園で働いているワ族の娘・イダウさんは今年22歳。今、一人で北京で働いていますが、故郷や両親がとても恋しいといいます。そんな彼女が、故郷の新年の様子を次のように紹介してくれました。
「大晦日の夜、みんなは寝ずに新年を迎えます。12時に過ぎますと、子供たちは爆竹を鳴らし、新年を祝います。また、ワ族には、元日の朝、年始回りで訪れてきた男の子に対し、家の主は「鶏肉濫飯」という鶏肉料理でもてなします。しかし、女の子が年始回りをすることは喜ばれていないそうです。だから、ワ族では女の子は元日の日に年始回りをする慣わしがありません」
では、中華民族園で働くイダウさんたちが、現場で1曲歌ってくれましたので、聞いていただきましょう。ワ族の人々が楽しく新年を迎えるようすを歌った歌「迎新年(新年を迎える)」です。
お聞きいただいたのは、ワ族の民謡「迎新年(新年を迎える)」でした。
毎年旧暦の八月中旬、ワ族の人々は一番忙しい季節を迎えます。
朝霧の中、ワ族の村のあちこちから米をつく音が聞こえます。ワ族の人々はこの新米の取れる時期に新米節・豊年祭を行い、米の豊作を祝います。
この新米節の様子についてイダウさんは次のように紹介しています。
「お祭りの当日は、実った稲を一束家の入り口の上に架け、土地の神を家へ招きます。そしてとれたてのお米でごはんを炊き、神様と祖先に供えて家族の平安無事を願います。儀式が終わった後、各家庭では客を招き歌や踊りを披露しあい、皆で収穫を祝います」
では次にお送りしますのは「阿瓦人民唱新歌(ワ族の新時代の歌)」です。
中国民族音楽、この番組は北京のスタジオから黄競がお送りしています。今週は、ワ族の音楽を特集しています。お聞きいただいたのは、ワ族の有名な民謡「阿瓦人民唱新歌(ワ族の新時代の歌)」でした。
ワ族の太鼓・木鼓はワ族の代表的な民族楽器で、ワ族のシンボルとも言われています。ワ族では、太鼓を神として崇めており、また雄の太鼓と雌の太鼓があるとしています。雄の太鼓は、長さ1メートル50センチ、長径50センチほどです。雌の太鼓はもっと大きく、その長さは2メードル、長径は60センチぐらいとなります。ワ族の太鼓は普通10年から20年に一度作りかえられますが、それにあわせてお祭りが行われます。では、中華民族園で働くワ族の若者・エダウさんが現場でワ族の太鼓を演奏してくれましたので、お聞きください。
ワ族の娘・イダウさんは「祝日の日、村の人々はこの太鼓のリズムに合わせて歌や踊りを楽しみます。とてもにぎやかなお祭りが1週間ほど続きます」と語ってくれました。躍動感あふれるこの太鼓のリズムは、ワ族の人々の生活と切っても切り離せないものなのです。
では、続いてはワ族のラブソング「春天情歌(春の情歌)」をお聞きいただきましょう。
お聞きいただいたのはワ族のラブソング「春天情歌(春の情歌)」でした。
ちなみに、ワ族の結婚は完全な恋愛結婚です。17歳から18歳ごろになると、若い男女は結婚相手を探し始めます。
では最後に(瓦山篝火)という曲を聞きながらお別れしましょう。中国民族音楽、今日はワ族の音楽を特集しました。それでは来週まで、ごきげんよう、再見!
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