地元で行われる世界最高レベルのスポーツ大会に参加することは中国の選手にとって、明らかに有利です。今回の北京五輪で、中国の観客や応援団は大いに興奮し、喜びを表しています。しかし、中国チームが参加した試合のいくつかで、耳をつんざくような大声や不愉快な罵声が客席から聞かれることがあり、試合に影響を与えました。
スポーツ競技の意義から言えば、自国の勝利を期待するのは当然なことですが、主催国の観客はそれに限らず、オリンピック精神や中国人民の文化的イメージを他に示す必要があります。そうすることで、平和・友好の雰囲気がつくられ、競技場は公平な競争の場になるわけです。
中国の古い諺には、「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和にしかず」という言葉があります。オリンピックが中国で開催されることで、「天の時」、と「地の利」が得られたのは言うまでもありません。「人の和」を得るためには、努力が必要です。中国人観客の多くは、称賛の態度を持って、国籍を問わず、ミスをしたり、負傷したりしながらも、頑張る選手たちを応援しています。こうした友好的かつ、文化的な態度は博愛や崇高な精神を表し、各国の選手や国際オリンピック委員会責任者から高い評価を受けています。競技場で手渡される花束や客席からの拍手は、優勝者や主催国だけのものではないのです。
中国には「己の欲せざるところ、人に施すなかれ」という言葉があります。他人の成功を祝福しないのは、心が狭いことの表現です。
北京五輪はこれまでにない大規模なスポーツ祭典です。世界200余りの国や地域から代表団が参加しています。彼らは北京五輪に対する最も有力な支持者であり、国際オリピックファミリーの兄弟でもあります。自国の選手を応援すると同時に、主催国として、大きな心で各国の選手を応援するべきです。「拍手には是非がない」と言いますが、同時に「拍手には修養と品格がある」とも言えます。そこには観客の鑑賞力や文化的レベルが反映されているのです。(翻訳:董)
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