後10日で、旧暦の八月十五日で、中国の伝統的なお祭り中秋節です。先週から、北京市内のスーパーや店に月餅がたくさん出回り、老舗の「稲香村」や「月盛斎」、「宮頤府」などの月餅がよく売れています。
8月15日は、一年の中期ですので、中秋と呼ばれています。暦の上では、一年が四季に分かれ、一つの季節が孟、仲、季という三つの部分に分けるため、中秋は仲秋とも呼ばれています。八月十五日の月は一年の中で、最も丸く、明るいものです。この日、夜空の月を仰げば、人々は自然に家族との団欒のひと時を思うことになるでしょう。このため、中秋節はまた、団欒節とも呼ばれています。
中国では、昔から中秋節の夜になりますと、どの家もお供え物を置く台に月餅や、スイカ、リンゴ、赤いナツメ、ブドウなどを並べます。そのうち、月餅とスイカは絶対に欠かせないものです。そして、赤い蝋燭に火をつけて、お月様を拝みます。その後、家庭の主婦は、丸い形の月餅を切り分けて、みんなで食べるのです。
現在でも、中秋節の夜、月見をする慣わしが残っています。この日の夜、人々はお酒を飲んだり、出し物を見たりして、祝うのですが、また、よそにいる家族と友人の健康を祈ります。
光陰は矢の如く、小さいときから聞きなれた「嫦娥奔月」(嫦娥が月にのぼる)など月に関するロマンチックな物語が記憶からすでに薄くなっていました。近年、中秋節の夜、空の満月を仰ぎながら、私は「露従今夜白,月是故郷明」、「海上生明月,天涯共此時」という古代詩人の書いた詩句をよく思い出し、なんとなく一抹の郷愁に駆られてしまうようになり、月に親族への切ない思いを託していました。(董)
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