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陽朔に移り住んだフランスの双子兄弟
   2008-07-15 15:47:10    cri

 陽朔は、中国南部の広西チワン族自治区にあり、桂林市にも近い所です。桂林景色の美しい所として有名ですが、実は陽朔のほうはより風光明媚だそうです。陽朔の中心地には、500メートルも続く石畳の通りで、「西の街」と書く「西街」があります。土産物店やカフェなどが集まっているところです。フランスからここに移り住んだ双子の兄弟、クリストフさんとルーさんは、ここで、フランス料理店と中国庭園飯店を経営しています。

 「中国庭園飯店」は、昔の庭園式の建物を改築して、ホテルにしたものです。二人が経営している中国庭園飯店の名前は、「鴻福飯店」です。中国らしく、とても縁起の良い名前です。ルーさん兄弟が陽朔で料理店やホテルを経営するようになったのはこんないきさつがあります。

 兄弟は、フランスの北東部にあるストラスブールで生まれました。1988年、二人は、軍人としてアフリカのガボンに派遣されました。二年後に退役してフランスに戻り、お兄さんのクリストフさんは警察、弟さんのルーさんは、大手会社に就職しました。1991年、22才のクリストフさんは、仕事を辞め、貯めたお金を持って、子供の頃から憧れていた中国に向かいました。南から北へと、香港や上海、北京、西安、蘭州などを回りました。その 中で一番気に入ったのが、陽朔だったそうです。

 クリストフさんは、次のように話しています。「私たちは、小さい頃から中国の歴史と文化を勉強したいと思っていました。中国は大きな国です。しかも五千年の歴史があります。はじめて中国に触れたのは、中国映画を見たことです。フランスでの生活は、つまらなかった。中国に来るのが夢でした。ここを愛しています。ここでの生活はとても楽しいです」

 1993年、クリストフさんは、陽朔で暮らし始めました。ますます多くの外国人が陽朔を訪れてくるのを見て、フランス料理店を経営したらどうかと考えました。しかし、陽朔は小さな町で、食材の購入が難しいなど、フランス料理店を経営するにはいろんな困難がありました。幸いなことに、地方政府は、外国人の投資に対して優遇政策をとっています。そして、地方の交通などのインフラも整備され、遠くから食材を調達することも可能になりました。クリストフさんのフランス料理店の経営は順調に進みました。

 クリストフさんは、弟さんに「中国に来ないか」と話をしました。

 弟のルーさんは、「兄に『今、どこにいるか』と聞いたら、兄は、『中国の小さな町・陽朔にいる。とても美しいところが見つかった』と答えた」といいました。

 ルーさんは、お兄さんの心を引き付けた町に好奇心が湧きました。1995年から98年まで、中国を3回も訪ねました。陽朔をたずねた体験を次のように語りました。「初めて陽朔をたずねた時、ここはまだ貧しいところだった。その頃、陽朔を訪れる外国人も貧乏な人が多かったようだ。今は、訪れる外国人観光客もだいぶ増えたし、四つ星や五つ星のホテルに宿泊する人も多くなった。これは、大きな変化だ」

 ルーさんは、この変化にあるメッセージを読み取りました。中国の伝統文化から生まれたビジネスチャンスです。お兄さんが経営しているフランス料理店のすぐ隣に、300年以上の歴史を持つ古い建物がありました。それを外国人観光客向けのホテルに改造するというアイデアが生まれました。地方政府の支持を得て、ルーさんは、100万元を投資して、その庭園式の建物をホテルに変身させました。

 建物の特徴を生かして、中国文化の魅ホテルの外観と内装は、古い建物のもともとの特色を保った上で、電気や水道、家電などの宿泊設備をそろえました。クリストフさんは、次のように話してくれました。

 「わたしたちは、ここを保護したかった。ここが有名になったのは、中国の味があるからだ。私たちが有名になったのは、中国の文化を愛しているからだ。外国人が中国に来て見たいのは、新築のものではないだね」

 二人は、自分に中国人らしい名前まで付けました。お兄さんのクリストフさんのほうは、文双福、文化の文に、二つの意味の双、そして福。本名のクリストフ・ブンセントに近い発音ですね。弟のルーさんは、文双禄、苗字と名前の第一の文字は、お兄さんと同じ、第二文字は、貫禄の禄で、中国語の発音は、ルー、本名とまったく一緒です。

 この十年間、クリストフさんは、毎日のように、中国の書道や篆刻の勉強をしています。また、骨董品を収集したり、中国文化について勉強したりしています。二人は、中国茶を飲みながら、将来の夢を語ってくれました。

 「陽朔は、中国の美しい環境の代表だ。中国は、われわれに大きな発展のチャンスをくれた。中国とフランスの関係がますます親しいものになるのを期待している。永遠に陽朔で暮らしたい。」(文:藍暁芹)

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