中国四川省で12日に発生した大地震で、震源地付近の什ホウ市(ホウは、方に「卩」)では、中学校の校舎が倒壊し、生徒100人余りが生き埋めになりました。懸命な救助活動により、地震発生から一夜明けた13日午後4時までに、ほとんどが救出されました。その中で、2人の女子生徒が、相手に声をかけつづけることによって自らの生命を救ったという物語がありました。
「彼女は生きている?いますぐ、彼女に会いたい」
13日午後6時頃、鉄筋コンクリートの瓦礫の中から救い出された女子生徒の蒋徳佳さんは、何よりも先に「命の恩人」の安否をたずねました。
蒋さんの話によれば、地震が発生した時、彼女はものすごい揺れを感じ、教室を出て高いところへ駆け上がろうとした途端、校舎が崩れたということです。生徒らの叫び声の中で意識を失い、いつのことか分かりませんが意識が戻ると、全身に激痛を感じました。起き上がろうとしても、重いコンクリートの瓦礫に体を挟まれ、まったく動けません。痛みと飢えが重なり、何度も目を閉じようとしましたが、上からずっと、女生徒の声が届いてきていました。「しっかりして。絶対に眠るなよ!眠っちゃだめ…」
女生徒は、「3年の廖麗だよ」と名乗りました。下からうめき声が聞こえて、蒋さんがいることがわかったということです。こういう場合、眠ると危険なので、蒋さんが意識を保って眠らないようにずっと声をかけ続けたのです。その後、同じく壊れた建物の中にいた廖麗さんが発見され救出されて間もなく、蒋徳佳さんも救出されました。二人は、この、生と死の境目で声をかけ合いつづけることでお互いの命を救ったということです。
蒋徳佳さんは「私たちが死線を乗り越えて結んだ友情は、一生忘れることができない」と語りました。(翻訳:鵬)
|