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全人代初の「農民工代表」
   2008-03-27 19:46:02    cri

 3月5日から18日にかけて、第11期全人代第一回会議が北京で開催されました。

 全人代・全国人民代表大会は5年の任期で、日本の国会に当たる中国の最高権力機関です。全人代の全体会議は、年に一回、3月ごろに北京の人民大会堂で開かれます。今年、私は中国国際放送局の特派員として全人代の取材活動に参加しました。

 今年は第10期全人代の任期が終了し、新たに選ばれた第11期全人代の初の会議です。この会議では、全国各地から選ばれた国会議員に当たる全人代代表が、国家主席の選出、首相の指名から、政府機関の機構改革案まで審議するため、国中から注目されていました。ところで、今年の全人代が注目される理由はほかにもあります。その一つは、農村からの出稼ぎ労働者である「農民工」が初めて代表として全人代に参加したことです。

 大まかな統計によりますと、中国の農民工はおよそ2億人もいます。中国は1970年代末から改革開放政策を実施してから、経済が急成長してきました。都市部と比べて、農村部の発展が遅れているため、住み慣れた村を離れ、大都会へ出稼ぎに行く農民がだんだん増え、「農民工」という新しい階層が生まれました。農民工は主に建築業、製造業、飲食業と運輸業などに携わり、中国の産業界を支える重要な力となっています。

 今回代表に初めて選ばれたのは上海の服装会社と広東の製造工場、それに重慶の建築会社で働く女性2人、男性1人の農民工です。

 3人の農民工代表のうち、日本語ができる代表がいました。

 31歳の朱雪芹さんは、上海にある中日合弁服装会社の工場長で、労働組合の副委員長を務めるとともに、日本語の社内通訳も担当しています。彼女は2回に渡って日本で研修を受けた経験があります。

 全人代の開催期間中、朱雪芹さんは、「どうやって農民工たちのニーズと意見を聞いて、政府に伝えるかを毎日考えている。北京に着いてからは、睡眠薬を飲んでも全然眠れない」と困っていました。

 全人代に朱雪芹さんはいくつかの提案を出しましたが、このうち「全国範囲で統一された社会保険制度を導入し、その保険はどこで働いても使えるようにする」という提案はすぐに政府に採択されました。

 温家宝首相は3月5日に行った政府活動報告の中で、できるだけ早く全国どこででも適用を受けられる社会保険制度を実現させることを明らかにし、4日後には、田成平労働相が、「2年以内には省クラスでの統一適用を、また全国の一律適用については年内にも具体案を制定する」と発表しました。

 「全人代の会議がまだ終わっていないのに、政府はすぐ提案に応えてくれた。農民工はこれからもっともっと重要視されるようになるに違いない」と、朱雪芹さんは心強くなりました。彼女は、13年間働いてきた自分には、若い農民工にない経験があり、一般の農民工がまだ認識していない問題まで考える能力があると自信を持つようになりました。これからの5年の任期の間、彼女は農民工の声を政府に伝えるために努力していこうと覚悟を新たにしました。(文:姜平)

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