だいぶ暖かくなってきました。放送局の前に植えられている柳の木の緑は、ひときわ濃くなりました。こぶしの白い花も咲きそろいました。北京市内の集中暖房も今月15日で終わりました。強い風が吹いて黄砂で風景がかすんだりしますが、寒さを感じなくなりました。
ところで、20日は春分の日です。北半球ではこの日を境に、次第に昼が長く、夜が短くなります。春分というのは、二十四節気の一つです。日本でも二十四節気が使われていると聞いています。春分の日は日本では祝日です。お彼岸の中日で、ご先祖のお墓参りをしたりします。暑さ寒さも彼岸までということばもありますから、暦の上ではこれからは暖かくなる一方だということです。立春、春分、秋分、夏至、冬至などの二十四節気の言葉は季節感が感じられます。
私は、小さい頃に、これらの言葉をよく耳にしました。農業をしていた祖父や祖母が、いつ種を蒔くのかなど、季節ごとの農作業について、二十四節気で丁寧に説明してくれました。そういえば、ふるさとでの農村生活をとても懐かしく思います。小学校に行くまで、ずっと農村にいました。田んぼで稲を刈ったり、野菜畑で雑草をとったりして、土地や自然とよくふれ合いました。
しかし、ふるさとに帰り、祖母がいる村を訪ねましたが、ここ数年で農村の様子がすっかり変りました。道路などが建設されて、耕地が目立って減りました。村人は、政府からの補助金で3階建てや4階建ての一戸建てを建てました。農業を止めて、勤めに出たり、出稼ぎに出たりする人もすくなくありません。つまり、ほとんどが兼業農家になっています。
中国はいまも農業大国です。1980年代以来、農薬や化学肥料などが大量に使用され、地力はだいぶ落ちてしまいました。社会は経済的に大いに発展したものの、みんなが暮らしている環境はどうなるのか心配しています。(文:藍)
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