2008年は中国の「オリンピックイヤー」であり、「オリンピック結婚年」とも呼ばれています。今年結婚するカップルは去年よりずっと多くなりそうです。その理由として、まずは、オリンピック開催という記念すべき年に結婚したい人が増えること、もう一つは、今年は2008年で、「8」という数字の中国語の発音は、儲けるという意味の言葉と似ていて縁起が良いとされていることがあげられます。特にオリンピック開幕日の8月8日は、「8」が三つもそろっているので、この日を結婚日にする人が最も多くなりそうです。
ところで、ここ数年、中国人の初婚年齢は年々上がっています。国家人口計画出産委員会が去年発表した統計によりますと、2001年時点で女性が結婚する平均年齢は24.15歳、1991年と比べて、1.92歳、上昇しました。また、全人口の1%を対象に調べたところ、2005年の初婚平均年齢は、男性は25.86歳、女性は23.49歳でした。
比較するため、日本人の初婚年齢も調べてみましたが、去年の統計では、女性は28.0歳、男性は29.8歳です。中国よりずいぶん年上で、中国では想像できないほど遅いですが、やがては中国もそのようになるかもしれません。
初婚年齢が上昇したことについて、専門家は「中国の農村では早く結婚する習慣があるが、最近は、若者の出稼ぎ者が増えたため、都市の影響を受けて結婚が遅くなる人が多いこと、もっと独身生活を楽しみたいと考える若者も増えたことなどが考えられる」と分析しています。
また、結婚しないという人も増えました。今の中国では、25歳から44歳までの女性のうち、3.3%は独身だということです。
さて、インターネットの時代を迎えた今、結婚事情はこれまでと変ることがあるでしょうか。中国結婚式協会がこのほど、既婚のインターネット利用者を対象に行った結婚に関するアンケート調査の結果を発表しました。有効回答は15万4386人です。「どのようにして相手と知り合ったのか」という質問に、「普段の生活で自然に知り合った」と答えたのは54%、8万3000人でした。一方、「インターネットを通じて知り合った」のが32.6%で、5万人に上ることが分かりました。続いて、「友人の紹介」が13%、結婚仲介所などによる人が0.4%です。既婚のインターネット利用者の3割ぐらいが、ネットを通じた出会いによって結婚したというのは、まさに時代を反映していますね。
ところで、去年、中国結婚産業調査統計センターが2006年と2007年に調査したところによると、都市では、結婚にかかる費用は平均56万元(日本円で840万円)必要だということです。中には、マイホームとマイカーのローンによる購入費も含まれています。そのほか、結婚式や新婚旅行などの費用があります。中国ではマイホームを買ってから結婚するのが当然と考えられているため、ここ2年ほどの不動産価格の高騰により、結婚できずに困る若者も現れました。もちろん、お金より愛情のほうを大事にする人も少なくありません。
中国では、婚姻届を出してから、結婚式を挙げるのが普通です。そして、婚姻届の日より、結婚式を挙げる日のほうが重視されます。普段は、縁起のよい日を選びます。さきほど紹介した8月8日のオリンピック開催日もそうですし、よく参考にしているのは「黄暦」です。日本の大安や友引などと似たもので、この日が何によい、何をしてはいけないという暦です。(文:藍暁芹)
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