中国ではここ数年来、都市部の労働者の基本医療保険制度や農村の新しい合作医療制度の実施に伴い、こうした人たちの医療が保障されるようになりました。しかし、安定的した収入がない。特にお年寄りと低収入者、身障者、未成年者の医療問題はいかに解決解決されたのでしょうか。都市部住民の医療保険制度の「盲点」をいかに解決し、社会全員に基本的な医療を受けさせるようになったかを福建省の例で見て見ましょう。
今年80歳の高齢になった福建省アモイ市の住民、陳香さんは一昨年の初め、直腸ガンにかかりました。これはゆとりのない家庭にとってまったく泣き面にハチと言えます。陳さんの世話をしていた息子の嫁の鄭真真さんは当時の状況を振りかえながら「当然ながら、姑の病気は大きな圧力となった。私たち夫婦は皆失業し、収入はない。医療費の支払いに困らっせている」と話しました。
医療費に悩まされた時、都市住民の医療保険制度の実施は希望をもたらしました。
2001年から、福建省は各地で都市従業者の基本医療保険制度、新農村合作医療制度を実施し、住民の医療問題を基本的に解決しました。そして、全ての住民を社会医療保障システムに組み入れたため、去年から、福建省は管轄区内の福州、アモイ、南平で医療保険制度のテストを行いました。これについて福建省労働社会保障庁の頼詩卿副庁長は次のように語りました。
「都市住民の基本医療保険制度は政府と個人が共同で出資し、加入者の入院と重病の医療費を重点的に解決するためのものだ。次のようないくつかの特徴がある。その一は、適用する範囲が広いことだ。職業のない都市住民や、お年寄り、小中学生、少年児童及びその他の人々が含まれている。第二は、医療保険金は政府と個人が出すほか、社会慈善などの多くのルートによって融資することだ。この制度が実施される前、お年寄りと子供などの医療費は主に家庭に頼っていた。病気にかかったら、家庭は貧困な状態になる。この制度の確立はこれらの人々の医療問題を解決した」と話しました。
統計によりますと、去年末まで、福州やアモイ、南平市ではすでに70万人近くが医療保険に加入しました。これについて、アモイ市社会保健管理センターの責任者蒋更生さんは、「加入者医療費の40%から60%は地元政府の社会保険部門が支払い、この比率は今後、さらに拡大していく」として、次のように話しました。
「加入者の負担が著しく減少した。統計によると、お年寄りの入院費用は47%、未成年者は55%減少した。これは確実に住民の負担を減らした」
そして、保険料金は少ないのです。例えば、アモイ市を例にして見れば、一人は毎年178元で、未成年者は80元を納めます。このほか、低収入者や身障者などの特殊階層の人の保険料金が免除されています。
福州、アモイ、南平は都市部医療保険制度実施の縮図です。現在中国の79の都市でこの制度が実施され、2010年まで、全国範囲で実施されていくということです。(担当:董)
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