この一週間、北京はずっと晴れて、寒い日が続いています。日中の気温は0度ぐらい、最低気温はマイナス10度ぐらいまで下がったこともあります。しかし、中国南部の寒波は北京の寒さより、もっと深刻です。
中国では、中部から南部を中心に強い寒波が襲って、およそ50年ぶりという大雪が続いています。
中国民政省は28日に、被災状況を発表しました。10日から28日の午後までに、およそ7800万人が雪の被害を受け、そのうち倒壊した家屋の下敷きになるなどして、少なくとも24人が死亡しました。
まもなく中国の伝統的な祝日・春節で、帰省ラッシュもすでに始まっていますが、帰省客が利用する交通機関にも大きな影響が出ています。電力不足も伝えられています。
大雪で、多くの高速道路が閉鎖されました。積雪のために各地で送電線が切れ、電力が不足しています。幹線鉄道の送電線まで影響を受け、一部の列車が運転出来なくなりました。特に、北京と南の広州を結ぶ鉄道は大幅な遅れや運休が出ています。広州駅では、ふるさとに向かう出稼ぎ労働者など10万人以上が足止めされて、外の広場にまであふれました。足止めされた人たちは60万人に達するという情報もあります。さらに、四川省や貴州省などの内陸部では、発電用石炭の鉄道輸送が滞っています。電力不足が深刻化して、供給制限も行われています。
大雪に見舞われた地方では、物価の高騰も深刻です。中央と地方政府は、日常生活に不可欠な食糧、食用油、豚肉、牛肉、羊肉、牛乳、卵、プロパンガスなどの価格の大幅な値上げを禁止する措置を取っています。物資不足が値上がりを引き起こす訳ですから、何とか物資の輸送を確保する措置を撮らなければなりません。
春節の里帰りを楽しみにしていた人たちも大変です。南部の深セン市政府は28日、帰省しようとする市民や出稼ぎに来ているたち人たちに対して、帰省せずに深センで春節を過ごすよう呼びかけました。全国紙の中国青年報も29日、同じような文章を発表し、国と自分のために帰省しないよう呼びかけました。
この災害を乗り越えて、みんな何とか無事に春節を迎えて欲しいものです。(文:姜平)
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