2年余りの具体的な準備を経て、台湾でよく知られている長庚病院は大陸の福建省アモイ市に医療センターを設け、まもなく診療が始まります。2000年、中国中央政府は台湾資本が大陸で合弁病院を開設することを許可しました。それから、台湾の企業と医療機関は相次いで、大陸で病院を開設しました。

　台湾の石油化学の大手企業である台湾プラスチック工業株式会社の投資によるアモイ長庚病院はアモイ市の海滄台湾企業投資区に立地し、敷地面積は70ヘクタールで、病院、医学院、養生村の3つの部分に分けられています。投資総額は12億元近くで、入院部には4500の病床があります。病院の責任者鄭明輝さんは、「アモイと台湾は海を隔てて望んでおり、多くの台湾企業はアモイに投資した。長庚病院をここに設けた重要な理由は周辺の台湾企業にサービスすることだ」と述べました。

　鄭明輝さんはまた、「台湾人は長庚病院のことをよく知っている。アモイに設置している病院は台湾の林口や高雄にある長庚病院と同じで、サービスや医師、看護士の素質でも差がない。そして、電子システムを通じて、台湾の病院にあるカルテを出すことが出来る」と述べました。

　大陸で設置された初の台湾独資の病院・ワンワングループの投資によって建設された湖南省長沙ワンワン病院は2005年に営業を始めてから、すでに2年が経ちました。これについて李永国院長は「湖南省で病院を設立する前、市場分析を行なった」として次のように語りました。

　「湖南省は6700万人の人口があり、これは台湾の3倍の人口に相当する。しかし、湖南省には大型の病院は少なく、周辺の広西ワン族自治区や江西省、貴州省の医療事業も発達していない」。

　清華大学台湾問題研究所の黄徳海博士は「台湾の病院が大陸の医療市場に積極的に進出するには主に、2つの理由がある。まず、大陸へ投資する台湾企業が多いほか、台湾から大陸への観光客も多いことだ。また、台湾の医療市場はすでに飽和状態にあり、大陸の医療市場には大きな潜在力がある」と話しました。

　黄徳海博士はまた、「台湾は僅か2300万人の人口だが、医療規模が非常に大きく、レベルも高い。この2、3年医療事業が安定的に発展し、各種類の医療機関は2万近くになり、平均して、1000人で一つの医療機関を擁している。病床の数は合わせて15万もある。また、1000人に9人が医療事業に従事している」と話しました。

　台湾の病院が大陸に進出するには、どんな優位性があるのでしょうか。これについて、高徳海博士は「診療科の設置や運営システムの面で、大陸の伝統的な公立病院と区別があり、患者を中心とした施設が多く、その管理経験も大陸の病院にとって貴重なものだ」と語りました。