四、北京オリンピックのボランティア募集
北京オリンピックに必要なボランティアの数はなんと50万人とされています。現在の応募状況は、競技場で活動するボランティアに80万人、競技場に入らず交通案内などを手伝うボランティアには92万人がすでに応募しています。特に学生のボランティアを多く採用するということです。
12月中旬に、北京市内の大学に出かけて、学生たちにボランティアの話を聞きました。みんな、中国北京で初めて開催されるオリンピックにボランティアとして参加できることを心待ちにしていました。学生の一人は、「ボランティアを通じて、これから、ますます力を合わせて何かをやろうという意識がどんどん高まっていく」と話していました。
また、組織委員会では、外国人のボランティアを2万人募集しています。現在、特に必要になっているボランティアは、あまり一般的でない外国語が話せる人達です。例えば、スワヒリ語とかヒンディー語、アルバニア語などができる人ですね。ただし、外国人のボランティアの場合はかならず中国語ができることが必要です。
五、開会式と閉会式の演出
「赤いコーリャン」、「初恋の来た道」、「ヒーロー」、「ラバーズ」などの作品で日本でも良く知られているチャン・イー・モウ(張芸謀)監督がオリンピックの開会式と閉会式の演出を担当することになっています。チャン・イー・モウ(張芸謀)監督の演出がどんなものになるのかは、まだ秘密だそうですが、演出の材料の候補にチャン・イー・モウ監督は「子供の笑顔」を挙げています。
去年の9月5日から、北京オリンピック組織委員会は、世界に向けて10歳以下の子供の笑顔の写真の募集を続けています。実際に募集する作品は1万点ですが、すでに5000点の写真が集まっています。しかし、海外からの応募はまだ100点ぐらいだそうです。ちょっと少ないですね。
オリンピックのメイン会場「鳥の巣」から世界中の子供たちの笑顔が地球の隅々まで発信されることを楽しみにしています。
六、表彰式の女性アシスタントの募集
北京オリンピックの表彰式のために、女性アシスタント380人が採用されました。関係者によりますと、その選考基準は、航空会社の客室乗務員の採用より厳しいもので、英会話能力はもちろん、身長や年齢にも厳しい制限があります。身長は168センチから178センチまで、年齢も18歳から25歳までとなっています。
合格者たちは現在、たいへん厳しい研修スケジュールをこなしています。朝6時から夕方5時まで、バレエやダンスのトレーニングなどを受けるほか、夜にはオリンピック関連知識などに関する講座があります。また、歩き方や作法に関する訓練もあります。例えば、歩く歩幅は30センチから40センチまで、礼をする時の腰を曲げる角度は15度から30度までに矯正します。驚くべきは、笑う時に見せても良い歯の本数まで、6本から8本までと決められているそうです。理想的な笑顔をマスターするため、彼女たちは毎日、口に箸をくわえて練習しているそうです。
七、食品安全の確保
オリンピック組織委員会は昨年8月から流通経路の確認、いわゆる「トレーサビリティ」を導入し、食品の生産地などの情報をたどれるようようなシステムを構築しています。このシステムは、北京市内の大手スーパーなどで導入されているほか、一部の大手レストランでは、料理をサンプリングして冷蔵庫に24時間保管し、問題発生時に速やかに対応できるようにしています。
このほか北京市衛生局では、2005年からすべてのレストランを対象に、衛生状況のランク付けを行っています。最高ランクはA、最低ランクはDの4段階で、レストランの衛生状況を評価するのです。先週、職場の近くの小さなシャブシャブ屋で久しぶりに食事をしたのですが、そのレストランの壁には、アルファベットの「B」が大きく書かれた紙が張られていました。これこそまさに、北京市衛生局が発行した衛生状況のランキング証明書でした。このシャブシャブ屋は高級店というわけではなく、ごく大衆的な店です。それが「B」ランクという高い評価を得た理由は、徹底した衛生管理をしていることにあるそうです。キッチンの壁はガラス張りになっており、ユニフォームを着た調理スタッフたちの仕事ぶりがすべて見えるようになっています。また、壁には従業員全員の健康診断書のコピーが写真つきで貼り付けられており、小さいながらも安心感が感じられる店でした。
北京市衛生局では去年9月から、市内にあるすべてのレストランおよそ37000店を対象に、この衛生状況ランキング証明書を店内に掲示することを義務付けています。このように、北京市では、食品の安全体制を整え、オリンピックを迎えようとしているのです。(取材、文:姜平) 1 2
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