さて、今年、2007年が、そろそろ終わるところです。この時期、日本では、今年の流行語が話題となっているのではないでしょうか?実は、中国でも今年は様々な流行語が生まれました。その中の一つが、「干物女」です。「あれ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、この「干物女」は、日本から伝わってきた言葉です。日本の漫画家ひうらさとるさんの人気コミック、「ホタルのヒカリ」から登場した流行語で、恋愛の一つもせず、家でダラダラしている独身の若い女性のことを指します。干物のように枯れている生活を送っていることから、「干物女」というわけです。
最近は、中国語のホームページなどでも、この言葉をよく見かけるようになりました。先日、中国国際放送局の国内向けFM放送CRINEWSRADIOの番組「老外看点」、「外国人の目から」でも、中国人の司会者と韓国人、フランス人、イギリス人のパネラーが、この話題について、熱烈に討論していました。
しかし、この「干物女」という言葉は、中国では、必ずしも、マイナスイメージのある言葉ととらえられていないようです。どちらかと言えば、「自分らしく、無理をせず生きている」ナチュラルな女性を指す代名詞といったところでしょう。
「干物女」のような生き方は、中国では、比較的好意的に受け止められています。たとえば、先日、「北京青年報」に、「生活の中の干物女」という文章が掲載されました。キャリアウーマンのヘイさんは、職場ではバリバリ働いて、友達との付き合いも完璧にこなしていました。しかし、最近は、「『干物女』でいいんだ」と開き直り、自分のライフスタイルを変えたそうです。
必要ではない付き合いを断り、自分の家で過ごす時間を長くしました。家にいれば、リラックスでき、いままで溜まったストレスも解消されたということです。
なぜ今、中国では、この「干物女」のような生き方が注目されているのでしょうか?それには、二つの理由が挙げられると思います。一つは、女性に対する要求が、時代の移り変りと共に、変わっているということです。以前は、「職場も、家事もちゃんとやる」ことが女性に求められていました。でも、最近は、女性の個性を認める風潮が強くなり、自分らしく生きたいと思う女性が増えています。もう一つの理由は、中国社会が急速に発展する中、社会人としてストレスを受ける女性が増えていることです。干物女として生活することで、彼女たちは、仕事のストレスを解消しているのではないでしょうか。
台湾では、『66%のキャリアウーマンは、自分のことを干物女だと認めている』との調査結果が発表されました。
「干物女」ということばが流行している裏には、自分に素直に生きたいという女性が増えていることがあるからなのではないでしょうか。(文:藍暁芹)
|