西城区(せいじょうく)は北京市の中心部、旧「北京城」内の西側にあることから、西城区と呼ばれるようになりました。北は朝陽区、東は東城区、南は宣武区、西は海淀区に接し、区内の鼓楼外大街や地安門外大街、西直門北大街、徳勝門西大街、新街口外大街、三里河路、前門西大街、宣武門東大街などが、西城区へつながる主な道路です。現在、区内には、西長安街事務所、展覧路事務所、新街口事務所、金融街事務所、月壇事務所、徳勝事務所、什刹海事務所の7ヵ所の役所があります。
区内には人民大会堂など中国政府の重要な機関が立ち並ぶほか、北海公園や繁華街の西単、金融街、北京動物園などがとても有名です。面積32平方キロ、総人口83.1万人(2005年現在)、戸籍人口は75.7万人、居住人口66.0万人。そのうち、少数民族は43089人で、総人口の5.19%を占めています。
西城区は長い歴史を持っています。区内の什刹海は歴史ある場所です。什刹海は昔「海子」とも呼ばれていた湖で、西海、後海と前海の3つの湖からなっています。今から800年ほど前の元の時代、什刹海は北京にとって、とても大切な水源でした。当時、什刹海の面積は今より広く、「西直門」のあたりまで広がるほどでした。また、南から水路を使って食糧を輸送する場合、什刹海は北側の埠頭としての役割を果たしていました。このことから、什刹海は北京の「古海港(古い港)」とも呼ばれました。その後、什刹海では、食糧のほか、雑貨なども扱われるようになり、沿岸には賑やかな市場もいくつか作られました。当時、北京経済が発展していくうえで重要な場所の一つだったといえるでしょう。いま、什刹海一帯は、昔ながらの街並みが保存される一方、現代風のバーも数多く立ち並んでおり、おしゃれな人気スポットの一つとなっています。
また、西城区の東部には清代からとされるカトリック教会、北部の徳勝門辺りにはイスラム教のモスク、南部には道教の白雲観、中心部には仏教寺院、広済寺があります。そのため、西城区は強い宗教色が漂う町でもあります。
ちなみに、日本語を主な外国語として学ぶことで知られる北京月壇中学校も西城区にあります。
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