スイカの季節が来ました。スイカといえば、北京の夏の風物詩といえるほど街中に溢れ、値段も日本より驚くほど安く(1個12ー15元、200円ほど)もっとも庶民的な果物の一つです。スイカの成分は95%が水分であり、5%が糖分ということで、炎天下には夏バテを防ぐ効果あります。他にも効用が多く、良く知られているのは利尿作用があり、むくみや腎臓にいいといわれています。
【スイカの歴史】
原産地は南アフリカの砂漠地帯だそうです。水分が多いスイカが砂漠からなんてちょっと意外です。誕生は2500万年から3000万年前にさかのぼると言われています。栽培は紀元前5000年から始まり、アフリカの農耕文化の発達とともに各地に広がったということです。エジプトでは古代の壁画や絵画にスイカが描かれており、栽培されていたことが実証されています。ここからスイカは西へ東へと伝わりました。そして、9世紀頃に中国の新疆地域から内蒙古地域を経由して中国全土に広がりました。日本へは17世紀に隠元禅師が中国から持ちかえったという説があります。
【中国のスイカ】
1000年以上の歴史を持つスイカは中国で庶民的な食べ物として親しまれています。西域(新疆)から伝わったものなので、一般的には「西瓜」と呼ばれていますが、水分が多いことから「水瓜」、夏に出回ることから「夏瓜」とも呼ばれることがあります。スイカの作付面積は世界一で、その生産量も世界の40%を占めています。
【北京のスイカ】
北京では大興区、順義区などがスイカの主な産地です。「京欣一号」という品種がほとんど。北京市民の年間消費量は、一人当たり50キロ(およそ十個)とかなり多いほうです。
様々な品種がありますが、近年、種無しスイカ「無子瓜」や、果肉が黄色や白色のものがどんどん出回り、なんと四角いスイカまでも登場しています。
果肉を食べるほか、種と皮もよく食べられます。種は「瓜子」といい、スイカの種子を炒って歯で割って中身を食べます。気軽に味わえるので、中国全土で人気の高い食べ物です。また、スイカの皮は料理にすることもあります。和え物にしたり、炒めたりすると、キュウリに負けないぐらいの歯ごたえがあり、風味もあります。
北京では、スーパーで売られるほか、この時期は屋台やスイカを積んだトラックもよく見かけます。屋台の西瓜はスーパーよりも安く、その場で包丁を入れてもらって手ごろな大きさで持ち帰ることができます。
|