内蒙古自治区の南西部にあるオルドス市エジンホロ旗(中国の県に相当する)はチンギスハーンの陵、つまり墓のあるといわれる場所です。「エジンホロ」はモンゴル語で、「聖なる主の陵園」という意味です。そのチンギスハーンの陵の近くにごく普通の蒙古族小学校があります。この小学校の校舎は民族の特徴のある建物で、庭は白い壁に囲まれて、中には白い校舎があります。最も、目を引くものは庭にある二つのパオです。
客好きな子供たちが、早速、庭にある二つのパオを案内してくれました。この二つのパオは子供たちの絵の教室で、その中に、子供たちの作品が展示されています。牧畜民の子供たちの絵はほとんど草原の暮らしを絵に描いたものです。
この小学校に通っている子供たちは家が近くにあるといっても、通学するにはかなり遠いので、ほとんどの子達が学校の寮に泊まっています。エジンホロ旗では義務教育の基礎の上に、最近、地元の牧畜民の子供に、雑費、本代、補習代、資料費を免除するほか、宿泊費と食費に補助金を提供しています。学校の授業には、科学、絵画、音楽、モンゴル語、漢語と体育があり、漢語のほかにモンゴル語で教えています。
記者が子供たちの寮を見学したいというと、子供たちはあっという間にいなくなりました。先生に案内してもらって、寮に入ってみると、みんな、掃除や方付けをする最中でした。子供たちの寮はおもちゃなどが散らばっていますが、全体的にいうときれいでした。シーツや布団などは学校が配ったもので、全部「エジンホロ旗蒙古族小学校」の文字が書かれています。
記者は「この小学校は特別な例ではないか」という思いで、エジンホロ旗の第一中学校も取材しました。こちらはもっと設備が整っていて、パソコンの授業もあります。
エジンホロ旗のカク永輝旗長(中国の県長に相当する)は「地元の経済発展につれて、教育への投資がますます多くなっている」として、「旗には一つの基準がある。つまり、少数民族の家庭の子供は幼稚園から高校まで無料で進学できる。少数民族の教師は国の補助金の上に旗の補助金がもらえる。大学に進学する少数民族の学生に奨励金を与える、というような措置もある」と述べました。
エジンホロ旗は内蒙古自治区にある多くの旗や県の一つですが、この中から、自治区全体の教育重視の姿勢が見られます。今後、経済が進んだ所だけでなく、中国全体が同じように恵まれた教育を受けられるようになることを期待できそうです。(編集:東)
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