【プロフィール】 1961年雲南省で生まれる。ナシ族。もとの名前は木継紅。81年に雲南大学中国語学部に入学。卒業後、同大学で講師に。現在は同大学教授、修士課程の指導教員。父親も同大学の有名な教授。
中国西南部辺境の高い山峡には、一本の曲がりくねった古道があります。かつては、雲南、四川、チベットを結び、インドやネパール、ミャンマーなどへ続いていました。馬を使って主に茶葉を運んだこの古道の歴史は、漢代まで遡ることができます。
木霽弘さんの故郷・雲南省麗江は、古道沿いの重要な町であったため、木さんは幼い頃からこれにまつわる話を聞き、強い興味を抱くようになりました。
友人たちと一緒に、以前は「南方のシルクロード」と呼ばれていたこの古道の実地調査と研究を進め、1987年、「茶馬古道」という名前を提案しました。これは学術界でも承認され、広く使われるようになったのです。
その後、5人の学者と馬で3カ月かけて2700キロの「茶馬古道」を調査し、それを本にまとめました。また、映画監督・田壮壮、作家・阿城とともにドキュメンタリー映画『茶馬古道?徳拉姆(ダラム)』を作りました。この映画は2004年、全世界で公開されたのです。
研究のほか、大学1年生に対して、古代中国語を教える講義を設けています。古代中国語の講義は毎週3回、一回に2コマ続きの授業です。最近は、出版する予定の本について父親とよく話し合います。親子2人はこれまでに、雲南の歴史に関する書籍を5冊出版しています。
【木教授の一言】講義、研究、雑誌編集をしっかりやり、生活を楽しんでいます。
「人民中国」より
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