中国では、ここ20年間、経済が急速に発展し、都市化と工業化の進展につれて、農村の大量の余剰労働者は発達する都市に入って、働きの場を求めています。このため、これら農民労働者の子供の教育問題をいかに解決し、これらの子供にいかにして、良好な成長環境を作るかが問題となっています。
ここ数年、一部の都市では、農民労働者の子供のための専門学校が設けられました。その中に政府によって作ったものもあれば、個人の出資によるものあります。農民労働者の子供に教育のチャンスを提供すると同時に、一部の学校では、資金や教師不足などの問題にぶつかりました。農民労働者の子供に良好な教育環境を提供するため、各地では、これらの学校に対する調査を行い、条件の備ていない学校の運営を停止させました。これについて、中国教育省の王旭明報道官は記者に対して、
「国家の教育基準に達していない学校に対して、規定に基づいてその運営を中止させる。これらの学校で就学している生徒たちを適切で、合理的に転校させる。条件の備た学校を奨励し、援助していく。農民労働者の子供が通っている学校を統一した管理システムに組み入れる」と話しました。
今年12歳の季曼さんは2年前、中国中部の河南省から出稼ぎに行く両親について、北京に入りました。季さんは個人の作った小学校に就学しました。今年の9月彼女は関係部門によって、一般の全日制の公立小学校に転校しました。季さんはこれについて、「新しい学校は前の学校よりずいぶんよくなった」と、次のように話してくれました。
「前の学校には庭もなかった。体育授業の場合、教室の中で座って、宿題を書きました。一人の先生は、いくつかの科目を担当していた。新しい学校には、大きな庭があり、体育授業をやるとき、非常に楽しい感じだ」と話しました。
ところで、農民労働者の子供が就学している学校を撤廃する措置は大きな論争を引き起こしました。それには2つの原因があります。一つは、公立学校は農民労働者の子供を平等に取り扱うことができるかどうか、それと、公立学校の学費が高くないかということです。このほか、子供たちが一般学校の学習生活に慣れるかどうかも論争の焦点となりました。
無錫市教育局の長章一副校長はこれについて、記者に
「農民労働者の子供は地元の学校の生徒たちと同じように、教育の機会を得ることができる。地元の子供と一緒にクラス分けをし、授業を受ける。これらの子供を早め、この都市に馴染むようにしようとしている」と話しました。
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