洗剤を使わないで、洗濯物をきれいに洗うことができるのでしょうか、現在、中国国内の市場でよく売れている洗濯機は人々の常識を破りました。この洗濯機は洗剤を入れなくても、洗濯物をきれいに洗うことができます。

　記者は北京市のある家電製品店を訪れました。この店で、新しい型の洗濯機を発見しました。縦60センチで、横50センチ、高さ90センチで、折りたたみ式の蓋は透明で、色はブルーです。

　外観は綺麗ですが、想像以上の機能もあります。現場で、その不思議な機能を見せました。

　販売現場では、従業員は真っ白な毛布にコーラや醤油、お酢などをたらして、しばらくして、水の注いだ洗濯機に入れて洗います。数分後に出してみると、汚れはすっかりとれました。

　なぜ、洗剤がなくても、きれいに洗浄できるのでしょうか、記者の質問について、洗濯機の生産企業・ハイアール集団を訪れました。洗濯機開発部の呂佩師部長はそれについて「この洗濯機の構造と原理は普通の洗濯機とまったく異なっています。この洗濯機の核心となる部品は電気分解タンクです。このタンクによって洗剤がなくても洗濯物をきれいに洗うことができます」と話しました。

　呂さんはまた、「電気分解タンクによって、水道水は弱アルカリ性水に分解されます。衣服の汚れはほぼ弱い酸性のもので、アルカリ性と酸性は一緒になると化学的な変化が起きて、汚れを分解し、洗濯物がきれいになるのです」と話しました。

　この洗濯機の開発は主に保健や環境保全の理念から出発したものです。洗剤の中には、大量の化学物質が含まれていますが、これらの物質は洗濯物に残留すれば人間の皮膚を刺激し、皮がむけたり、痒くなったりすることがあります。このほか、洗剤は廃水と一緒に排出すれば、環境汚染になるからです。

　この洗濯機の開発に、ハイアール集団は、市場開発、研究開発センター、アフターサービス、知的所有権などの8つの部門からなる開発グループをつくり、4年間の努力を経て、開発に成功しました。この32項目の特許を持つ洗濯機は中国国家電機品質監督検査センターの検査では、洗剤を入れない状況の下で、洗浄率は一般のものより25％高めました。

　それに、その他の良好な技術性能によって、この洗濯機は今年の初め、中国国家クラスの科学技術進歩賞を受賞しました。中国の家電製品企業で、この賞を受けた唯一の製品で、去年、市場に出てから、よく売れています。しかし、価格は一台の洗濯機の2倍以上で、少し高いと思われていますが、この洗濯機を購買した王彦芳さんは次のように計算しています。

　洗剤を買うお金を節約したほか、洗剤を使わないため、すすぐ回数も少なくなり、水と電気の使用量も減り、こうして計算すれば、高くはないと思います」と話しています。

　この洗濯機はこのほど、アメリカや、ニュージーランド、日本、インド、パキスタンなどの国の販売会社の注文を受けましたが、将来は、海外市場に進出し、より多くの消費者にサービスすることになるでしょう。