このほど、中国の上海では、300人の高校生が全国統一試験に参加せず、面接試験によって、中国の有名な復旦大学に入学しました。
これは新中国の教育史上ではなかったことです。
張墨然さんは上海のある高校3年生です。このほど、復旦大学の行った面接試験に参加し、試験に合格しました。この面接試験について、張さんは「ペーパーテストより、面接試験は人の総合的な能力を効果的に試すことが出来ると思う」と次のように話しています。
「ペーパーでストで高い点数を取った人はその総合的能力が高いとは言えない。だから、このような面接試験は必要だと思う。これによって、人と対面し、自分の意思を相手に十分に伝えることが出来るか。自分の提案をいかに相手に受け入れさせる能力も重要だ、この能力があるかどうかは話を通じて分かると思います」と話しました。
2ヶ月ほど前、復旦大学は面接試験による新入生の募集を発表しましたが、直ちに6000人余りの高校生がそれに応募しました。面接試験の前、復旦大学は簡単なペーパーテストを行ないました。試験の内容は国語、数学、英語、コンピューターなどの科目が含まれましたが、学校側はこの試験の成績を元に面接を受ける人を選びました。
同時に、100人余りの教授で面接専門家グループを作りました。これらの専門家は全部復旦大学で人文や、社会科学、技術、自然、徳育などの学科の権威者です。面接試験はクジ引き方式によって、どの専門家グループの試験を受けるかが決まります。面接試験の時間は15分で、グループの5人の専門家とそれぞれ単独に話を交わします。最後に専門家によって、これらの人々の中から300人を選んで、入学制を決めました。
今回の面接試験に参加した学生の話では、試験の内容として、自分が責任感のある人だと証明すること。あなたは上海市の市長であれば、上海の交通難の問題をいかに解決するとか。一定の資金をあなたに渡し、これを利用して、一つの大型活動を企画する場合、どうなるのかと言うような質問でした。
復旦大学の蔡達峰副学長は「大学の管理者として、学生の知識レベルや学力を知る必要があるだけではなく、かれらの成長の経歴や物事に対する考えかたなどを知る必要もあると思います。これは全国統一試験によって出来ないので、今回のような面接をした」と話しました。
中国では、これまで、大学へ入学するには、全国統一試験を受けらなければなりませんが、試験の内容は本から学んだ知識を主としていました。この試験で高い点数を取るため、多くの学生は小学校から学習の点数だけに目を向け、バランスのある発展を無視し、所謂、「点数が高く、能力が低い」という傾向が出てきました。
蔡達峰副学長は「伝統的な試験方式は学生に面接試験に応じる能力を持たせたが、自覚的に学習する能力と応用能力に欠け、理性が弱く道徳を軽んじて、社会への適応力が弱かったのだ。こうした面接試験の方式を通じて、学生たちに中学、高校、はては小学校の時から学習の観念を転換し、自ら創造と実践の能力を養成することを促そうとしています」と話しました。
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