愛する白馬がひどい目にあった後目の前で死んでしまったので、スーホは大声で泣き始めた。これを見ていた王族と手下、ざまあみやがれと笑いながら引上げていった。
こちらスーホは白馬を殺した悪党どもを歯軋りして恨んだが、どうにもならず、仕方なく、その夜は白馬のなきがらをテントにいれ、その側で横になり泣いていたがいつの間にか眠ってしまった。
すると夢を見た。夢には白馬が現れこういう。
「スーホ、私の筋と骨て琴を作ってください。そうすれば、私はスーホといつまでも一緒にいられますよ」
これを聞いて目を覚ましたスーホは、涙を流しながら白馬の骨で琴の棹(さお)をつくり、筋を弦に、また尻尾を弓毛とした。こうして出来た琴は「馬頭琴」とよばれ、このときから蒙古草原には、このことの美しい音色が響き渡り始めたのじゃ!
ここで、もう一度お知らせです。この「林涛のゴーゴー話」は番組調整のため、今回が最終回になりました。リスナーの皆さん、長い間、この番組へのご声援、ありがとうございました。またこれから中国少数民族についての伝説や昔のお話は、この林涛が引き続き担当し、15分になった「中国昔話」で時々ご紹介しますので、どうかお聞きください。誠にありがとうございました。
では、来月からは「中国昔話」の時間でお会いいたしましょう。
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