ウイグル族は他の遊牧民族と比べて、早い時期に定住生活に入ったため、安定した生活環境が彼らの美的感覚や芸術的精神に大きな影響を与えています。これは『十二ムカム』の拍子は種類が多くて、構造が複雑という特徴から見られるでしょう。
2006年2月15日、北京で公演した『ムカム』は新疆の莎車から来た刀郎ムカムです。これも十二ムカムの中で、最も原始生態の音楽や踊りとされています。また、公演に参加したのはプロの俳優ではなく、みんな素人の庶民だそうです。
記者: 今年はお年はどのぐらいですか?
出演者:もう、五十以上だよ。
記者: 北京は初めてですか。
出演者A:僕は初めてです。
出演者B:僕はもう三回目ですよ。
記者: 皆さんは普段、どんなお仕事をしてますか。
出演者:僕たちはいろんな職業から来た人ですよ。農民もいるし、商売をやっている人もいるし、僕のような行政機関で働いている人もいますよ。
記者: 普段よく集まって練習とかしますか。
出演者:練習なんか要りませんよ。小さい時から習い慣れたものですから。どこかイベントがある時、祝日の時、僕たちは集まって十二ムカムを演奏して場を盛り上げます。
記者: 十二ムカム、子供にも教えてますか。
出演者:そうですね。今、十二ムカムの演奏が出来る人は少なくなってますし、ほとんどはお年寄りですから。どのようにして子供に伝えていくのか、なかなか大変です。今、僕たちは自分や周りの子供に出来る限りのことを教えています。しかし、押し付けで教えるより、やっぱり自然に民族音楽の雰囲気を作り出して子供の心を掴んで、進んで習いたいという興味を持たせるのが何よりですよね。
『十二ムカム』のような人類無形文化財の伝承には、誰か一人の責任ではなく、みんなの努力が必要ですね。
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