温家宝総理が今回の政府活動報告の中で、中国が直面している最も重要な問題の一つとして、都市部と農村部、地域と地域の間及び社会の構成員の間に存在する格差を取り上げた。この問題を解決するため、中国政府は今年、立ち遅れている地域の経済と社会事業への支援や、弱い立場にある人々と貧困住民への扶助のために数千億元を投入し、受益者は1億人以上にもなるという見通しである。
財政部が5日に全人代の審議に付する2006年度の財政予算報告の草案によると、今年、中央財政が地方(主に中西部地域に)への一般移転支出は昨年より238億元増(伸び率は21.2%)の1359億元に達し、少数民族地域への移転支出は昨年より25.6%増の200億元に達することになった。ちなみに、一般性移転支出は地域間の経済力の格差の縮小、地域間基本公共サービス能力の均等化を目的とするものであり、地元政府が自主的にこれらの資金を使用することができる。
また、貧困扶助に充てる資金は昨年より7億元増の137億元に達し、おもに貧しい村落のインフラ整備、農業産業化と労働力移転のための訓練などをサポートすることになっている。社会保障面の充実や再就職の促進などにも1859.8億元が投下されることになっており、昨年比14.5%の伸びとなる。
財政部の張通報道官によると、中国は今年、就職と再就職に関する新しいサポート政策の実施に取り組み、国有企業からリストラされた労働者の問題を適切に解決し、企業の従業員の基本的な養老保険制度を充実させ、公務員給料の改革を行うとともに貧困人口の処遇を適切に引き上げることになっている。また、政府は、都市部のコミュニティ衛生事業の発展及び都市部、農村部の医療救助制度の構築を加速させ、「受診難、受診料が高すぎる」などの問題を逐次解決し、社会の救助システムの構築にも力を入れることになっている。
政府は、土地を収用された農民たちの社会保障の問題の解決策について突っ込んだ研究を行い、都市部と農村部が平等に扱われる就職制度の実行をサポートし、都市に出稼ぎに来ている農民たちの社会保障、医療保障などの問題を検討し、解決していくことになっている。財政部の金人慶部長は、今年は教育、文化、医療・衛生面における新規増加の支出を農村部に傾斜させるなどの政策の持続性と安定性を維持する上、資金投入をさらに拡大し、無料の義務教育の展開、農村の医療制度の試行などに充てると語っている。
「チャイナネット」2006年3月7日
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