ここ数日間、国内の多くのメディアが「中国の自動車販売台数は昨年初めて日本を抜き、中国は世界2位の自動車市場に成長した」と報道した。これについて関連部門の関係者を取材し、各方面の意見を総括して導かれた結論は「自動車販売台数の面でも自動車保有台数の面でも、中国はまだ世界2位の市場ではない」というものだった。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
ある報道は、中国汽車(自動車)工業協会の統計に基づいて、05年の自動車総販売台数を日本の約580万台を抜く約592万台(国産車575万8200台+輸入車16万3千台)とし、中国は米国に次ぐ世界2位の自動車市場に成長したと伝えた。しかし詳細に分析すれば、そうではないことがわかる。
同協会の統計は各自動車メーカーからの販売台数報告を土台にしたもので、ここには国外に輸出された17万3千台が含まれている。輸出車の台数を引くと、05年の国内自動車総販売台数は574万8200台になる。商務部機電産品進出口司(機械電気製品貿易担当部門)によると、昨年の輸入車16万3千台には、部品セット約2万台分が含まれており、これらのセットは国内で組立加工された後、国内の販売ルートに乗るため、販売台数に2度カウントされることになる。このため上の数字からさらに約2万台を引き、最終的な総販売台数は約572万台になる。
日本自動車工業会(JAMA)北京事務所によると、05年の日本の新車(国産車、輸入車)販売台数は585万2068台で、中国より10万台以上多い。
商務部市場体系建設司の陳林副司長は、「自動車市場の規模は、中古車の販売台数を含めて考えるべき。その国の自動車保有台数も考慮する必要がある」と話す。自動車市場が比較的発達した国では、中古車販売台数が新車を大きく上回るのが一般的だが、中国は自動車市場の発達が不十分で、中古車販売台数は新車の3分の1しかない。統計によると、04年の日本の中古車販売台数は800万台に達し、05年もこのレベルを維持した。中古車を加えた05年自動車総販売台数は、日本が約1380万台、中国は約760万台で、中国の市場規模は日本に遠く及ばない。
ある国の自動車消費水準を評価するには、その国の自動車保有台数を考慮することが必要だ。日本の04年の保有台数は7470万台。一方、中国の05年の民間自動車保有台数はわずか3千万台の見込みで、中日間には大きな隔たりがある。
中国汽車工業協会によると、中国の05年の自動車生産台数は570万7千台、日本は04年が1050万台で、05年の数字はまだ出ていないが前年の水準をほぼ維持するとみられる。
同協会の予測では、06年、中国の自動車生産・販売台数は前年比約12%増加し、ともに約640万台に達する見込み。日本の新車販売台数の伸びは中国を下回る一方、中国の新車販売台数は日本を抜き、世界2位に躍進すると予想される。しかし自動車生産台数が世界2位に到達するには、なお多年の努力が必要だろう。(編集KS)
「人民網日本語版」
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