この食堂を経営している史永豊さんは、1992年から「学生栄養食」(学校給食)を作る仕事を始めた。数年の実践を経て、今では専門の勉強をした栄養スタッフが献立を作成し、それをコンピューターにインプットして、栄養食の専門のソフトでその栄養成分が国家の制定した「学生栄養食」の基準に合っているかどうかをチェックする。献立は毎週1回作成し、毎日そのメニューは異なる。それを食堂に掲示して、生徒たちに自分の好きなものを選ばせるというしくみだ。
「学生栄養食」を作る手順はとても複雑である。衛生を各段階で厳しく検査するだけでなく、各料理で使う材料の量まで厳密に量り、栄養バランスを保証する。
「学生栄養食」の概念が中国人の生活の中に現れたのは、十数年前のことである。しかし、北京市第4中学校のように比較的整った「学生栄養食」を提供している学校は多くはなく、学生食堂がない小・中学校や高校もかなりある。 これまで、児童や生徒の昼食については次のような解決方法があった。?学校の近くに住み、家に祖父母がいる場合、帰宅して食べる(もっとも幸せな方法だ)。?お弁当を持ってきて、学校で温めて食べる。?共働きの家庭の子どもは、父か母の勤め先の食堂へ行って食べる。当時はよく、こういった食堂に子どもたちの元気な姿があった。
1990年代になると、街道住民委員会や小さな食堂などが相次いで学校に通う子どもたちに昼食を提供する「小飯卓」を設け、彼らの昼食問題を解決した。
80年代後半から、中国人の生活水準は少しずつ向上し始めた。一部の専門家は、中国人の身体的素質を根本的に良くするよう、食事の構造を改善し、栄養バランスを整えるべきだと提案した。そして、小・中学生や高校生に対する「学生栄養食」の試行を始めた。二20年近い試行・普及と政府の支援の強化により、今では、「学生栄養食」は多くの都市にしだいに広がっている。
「人民中国」より
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