ナシ族と言ったら、すぐトンパ文字を思い出しますね。2002年ワールドカップの時、横浜のあるホテルはトンパ文字の「蹴る」という字をホテルの飾り物として飾りましたが、好評を受けたそうですよ。ナシ族の言葉なら、先ほど李さんの挨拶で聞きましたが、ナシ族の独特な文字、トンパ文字と言ったら、李さんは誇らしく次のように語りました。
「われわれナシ族にとって、一番の誇りは豊かな文化です。故郷の「麗江古城」は世界文化遺産、長江の支流金沙江が急カーブする地点「長江第一湾」と呼ばれる「三江並流」は世界自然遺産、トンパ古典は世界記憶遺産に登録されました」。また、「現代氷河博物館」と称される麗江の玉龍雪山もトンパ古典と共に「世界記憶遺産」にランクされました。四つの世界遺産を持っていますか。それはもう誇りの源になりますね。
ところで、トンパって、いったいどんな意味ですか。
トンパはナシ族が葬式や祖先を祭る際、催す占いです。また、天文や神話伝説、日常生活に関わる様々な民族の知識を伝える伝統文化の伝承者でもあります。言い換えれば、ナシ族の占い師です。トンパは普段は農民として働き、住民の依頼を受けた時にトンパ活動を行います。人々に尊敬されて、社会的地位は高いが、報酬は定まっておらず、裕福になれるわけではないですよ。しかも、最高位のトンパになるための修業は長く、厳しいです。
トンパ文字はトンパ教の経典を記載する絵画のような象形文字と言えるでしょう。合わせて1400字あるそうです。象形文字ですから、世界記憶遺産にランクされました。生きている化石とも呼ばれるトンパ文字はナシ族だけでなく、中国人ないし人類の共同の文化財産ですからね。(終わり)
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