北京の西にある中国の少数民族風情を紹介するテーマパーク「中華民族園」には、全国各地から来た56の民族が住んでいます。その一人が『鳳凰女』と呼ばれるシェー族の若い娘、阿麗沙さんです。
阿麗沙さんは今年18歳で、去年4月に上京して、「中華民族園」で就職しました。ずっと故郷の福建省に住んでいた阿麗沙さんにとって、北京での就職はまるで夢のようです。憧れの北京生活を体験してみて、阿麗沙さんはいろいろと勉強になり、悟りました。
「北京へ来て、初めて自分のことが少数民族だと意識したの。中華民族園には、たくさんの少数民族の同僚たちがいます。皆優しくて、とても団結しています。また、観光客にわがシェー族のことが紹介できて、とても誇らしく思っていますよ」
あっという間に8ヶ月が過ぎてしまいました。冬になると、民族園の観光シーズンが終わりますので。阿麗沙さんはほかの一部少数民族スタッフと共に故郷に帰ります。3ヶ月間の冬休みを過ごしてから、4月にまた民族園に戻るとのことです。家帰りと言ったら、歯にかんで微笑んでいる阿麗沙さんの目に喜びが輝いています。
「早く帰りたいわ。母の作った「烏飯」(くろはん)を食べたい。でも、私のために多めに作って、残してくれるのかしら。そして、幼馴染たちと一緒に山へ遊びに行きたい。北京には山が少ないね。私の故郷では家のすぐ後ろに綺麗な山があり、皆山遊びが大好きだよ。」
阿麗沙さんの純粋な笑顔に心を打たれました。「母の手料理を食べたい、友達と山へ遊びに行きたい」、そんな素朴な願いから阿麗沙さんが故郷に対する素直な愛情が覗かれるのでしょう。(つづく)
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