シェー族は中国東南部の福建省、浙江省、江西省、広東省、安徽省にまたがって住んでいます。人口はおよそ7万9千人。阿麗沙さんは福建省福安市のシェー族です。中国東部の沿海地区は割りと経済が発達している地域ですね。発展と変化の波が次々と押し寄せてくるので、少数民族ならではの素朴な伝統などを保つのはたいへんです。
実はシェー族には自民族の言葉がありますが、文字はないのです。今、阿麗沙さんのような若い世代の人は自民族の言葉による歌がほとんどできないそうです。でも、中華民族園での就職を決めた後、阿麗沙さんはお婆ちゃんから一曲だけ教えてもらったのです。歌と言うより、詩のような感じです。
改革開放が進むにつれて、少数民族の生活がどんどん改善され、近代化してきました。一方では、一部伝統的な民族文化が忘れられてしまいましたね。時代の発展と共に、少数民族の独特な伝統文化をいかに保護し、維持していくのはその民族の人々だけではなく、全世界の直面している大きな問題ですよね。中国の少数民族文化も中華文化の重要な一環であり、世界の人々の共同財産ですからね。
阿麗沙さんは帰省してから、お婆ちゃんからもっと多くのシェー族の歌を習って、今度北京に戻ってから披露してくれると約束してくれました。伝統文化の守りには、若者の努力が必要ですね。(終わり)
詳しくは1月12日(木)初放送、13日(金)再放送の『55少数民族』でお伝えしますので、どうぞ、お聞きください。
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