 ワ族の詩人聶勒さんの詩集『心霊牧歌(心の歌)』は「駿馬賞」の最優秀詩集賞を受賞しました。この作品は聶勒さんのデビュー詩集で、ワ族初めての詩集でもあります。
「故郷に対する懐かしい気持ちがこの詩集を作成したきっかけです。「駿馬賞」の発表まで後1ヶ月となった頃、故郷の親戚からある特別なプレゼントをもらいました。それは私たちワ族の民族衣装です。これは故郷の親戚が自ら作ったもので、しかも、70キロの山道を歩いて郵便局へ行って私に送ってくれたのです。故郷の人々は私のことを誇らしく思ってくれますね。私も自分の故郷、ワ族であることを誇らしく思っていますよ」
現在、中国では、少数民族の文学を漢文に訳す翻訳者はとても少ないのです。80、90%以上の少数民族の文学作品は漢文に訳されていないため、広く知られなかったのです。
今回「駿馬賞」の翻訳賞を受賞したのはウイグル族の翻訳者ディリムラティ・タミティさんです。1997年から今まで、タミティさんは8年間もかかって、4冊のウイグル語長編小説を漢語に訳しました。しかも、この翻訳作業はボランティア活動で、ほとんど収入にならないのです。
「私の仕事はとても地味な作業です。受賞できるなんて、一度も思いませんでした。ウイグル族の文学作品をできるだけ多くの人々に伝えようと思って、今までやり続けてきました。これからも続くだろうと思います。」
少数民族の文学作品と同じように、これら少数民族の作家や翻訳者はとても素朴な考えを持っています。こんな純粋な思いを持っているからこそ、彼らは少数民族の素朴な美しさを素直に伝えられるのではないかと思います。
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