中国西南部のチベット自治区では、現代教育が始まるのは遅かったですが、その発展は速いものです。ここ数年、チベット地区では、小学校から中学校まで、9年制義務教育が普及すると同時に、就職を目指す職業教育も積極的に進められています。
今年18歳のツオーガさんは、ジェードーシュ鎮(日本の町に相当する)に住んでいるチベット族出身の娘さんです。彼女は毎週、月曜日から、金曜日まで、午前8時ごろに、家の近所にある「ジェードーシュ手作りエプロン工場」で働きますが、この工場にはあわせて20人余りの労働者がいます。
ジェードーシュ鎮製の手作りの前掛けはすでに1000年あまりの歴史があります。ここでは、前掛けを作る家内工場が多く、年輩の職人も大勢いますが、ツォーガさんのような若くて、中学レベルの教育のある職人は少ないのです。これについて、ツォーガさんは「私は職業専門学校でチベットの伝統的な手工芸を身につけました。知識や、技術をもつ若い人は就職市場で非常に歓迎されています。私は中学3年生のとき、職業専門学校に入りました。当時、一つのクラスに40人の学生がいましたが、50%の人は職業専門学校を選んだのです。職業専門学校で、私は前掛けを編む技術を身につけました。中学を卒業した後、すぐ仕事を見つかりました。私はこの仕事がとても好きです」と話しています。
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