ニェマトンチョさんはこの病院の内科の医師です。今年60歳の高齢のニェマトンチョさんはこの病院で30年近く仕事をし、地元の多くの牧畜民は知り合いです。毎回、ロサンタンゾウさんと知り合いの人がこの病院に来るとき、まずニェマトンチョ先生を探します。
ここ数年、病院の医療条件の改善について、ニェマトンチョ先生は「うちの病院には、外科、内科、婦人科、小児科が設けられています。過去。ここの条件が悪く、血圧測定器と聴診器しかありませんでした。現在、心電図測定器、超音波検査器などの医療設備を整いました。」と話しました。
県の町に生活している人口は600人ぐらいですので、毎年の夏と秋は、ニェマトンチョさんと、ほかの医師は農村を歩き回って、牧畜民のために病気の治療に行きます。この時期、牧畜民たちは数ヶ月の食べ物を持って、家から遠く離れた草原へ放牧に行くのです。この時は、病気の治療が最も難しい時だからです。
医療環境が絶えず改善されると同時に、医療保障システムも完備されています。政府は毎年、牧畜民個人に一定の医療補助金を与えています。しかし、大病や難病にかかった時、それぐらいの補助金では全く足りません。このため、ここ数年、チベット自治区の多くの地方では新しい合作医療制度が実施されました。つまり中央財政、地方財政と個人がそれぞれ一部のお金を出して、牧畜民の医療費を支払うことです。こうして、平均して、1人一年に10元だけ納めばよいのです。現在、ズオンパー県の牧畜民は全員この合作医療に加入したということです。
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