シーサンパンナー北へ160キロほど走ると、雲南省最大の市・思茅市になります。ここは総面積4.5万平方キロ、総人口255万人の内、約6割が少数民族で占めているところです。ここで、歌が大好きな孟連県蝋塁郷のハニ族女性たちと出会いました。
(左)エキジビションで静かに笑うハニ族。(右)ハニ族の伝統的民間舞踊・竹筒踊りのリハーサル中。
皆さんは30人のグループで、同じ村落から来ています。市主催のプーアル茶祭りで、伝統的な舞踊「竹筒踊り」を披露するため、県から呼ばれてやってきました。村落は全部で35世帯。30人とは、ほとんどの家から代表が選ばれていることになります。何と、思茅市は全員始めてです。30人のうち、数人が以前に一度だけ、シーサンパンナーに連れられて行ったことがあるほか、都会に来ること自体が初めての人ばかりでした。
だから、彼女たちの驚きは深いものでした。
彼女たちはぼうっと遠方を眺めることが好きのようです。
招待所の裏にある小高い丘に登り、振り返れば、思茅の町が見下ろせています。ビルの風景が始めてだったのか、「ああ!」心から驚嘆し、見入っていた。
遥か遠くの空に飛行機が飛んでいったのか、
「ああ!」と目が飛行機雲の去る方向へと連れられていく。
「あっこに空港があるみたいよ!」と、しばらくは頭を振り向くことができなかった。
部屋の中で一緒に楽しく会話をしていても、エンジンの響く音がしてきたら、一斉に私のことをそっぽ向けにし、窓辺に寄せ、「飛行機だ!!!」と空を見上げる。
しかし、彼女らは公の場では、とてもシャイで、静かでした。
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